第1話 ページ2
東京、夜10時。人通りの少ない道に、ぽつんと建っているビル。そのビルは3階建てで、2階には、ネオン色の看板で「BAR」と飾ってある。そこからは、賑やかな声が聞こえる。
客A「いやー、ここはメシもうまいし、酒もうまい
し、何よりはぐみとの話が面白い!」
客B「なぁー、毎日来ちゃうよ」
はぐみ「その会話、何回目ですか?w」
客B「だって本当なんだぜ?
てかさ、最近どうなん?仕事」
はぐみ「どうって…頑張ってますよ?」
客B「違う違う!この前言ってたじゃねぇか。
BARの人手が足りねぇって」
客A「誰か見つかったのかよ」
はぐみ「いやー…見つかりませんねw」
客B「まじか!」
その賑やかな声は、客2人と、ここのBARの店主、榊原はぐみとの会話だった。会話の内容から察するに、BARの人手が足りず、1人で回すのが大変らしい。
だが、彼女なりに色々な手は打っていた。インターネットなどで、呼び掛けをしたのだが、誰も反応してくれなかったのだ。
その後、3人で打開策を作ろうと考えてみたものの、あまり良い案は浮かばず、気付けば閉店時間になっていた。
客2人を見送り、1人になった。BARの片付けをする為に手を動かすも頭の中を掠めるのは、今後の人手不足の事。別に、「売上がやばい」という訳ではないが、これからもずっと1人でやっていくとなると、いつか体が壊れてしまう。
それを考えると、自然と唸ってしまうもので。唸りながらも、今日出たゴミをゴミ袋に詰めて、1階に下り、裏口からすぐ近くにあるゴミ置き場に向かった。
だが、ゴミ置き場を見た瞬間、足と唸っていた気持ちが止まった。
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:無名 | 作成日時:2021年8月13日 17時