紅のストッパー 2

･(球の宴) ページ8

Sh9「Aー！ホームラン打ったで！！」
『はいはい知ってますよ』

それもドデカいの。

『とりあえず絞めるのやめてください』
Sh9「えーお客さんおんのに」
『は？お客さん？』
Sh21「こんにちは」

お客さんという表現が正しいかなんてどうでもよくなる。
それほどに爽やか。そう、爽やかの擬人化･昨日オール直球ピッチングの和田毅さん。

Sh9「あれAの真似したんすよね？」
Sh21「あ、そうそう」
『え』
Sh21「いやかっこいいなぁって思ってたんだよねー」
『え、あ、はぁ…ありがとうございます』

思わず帽子で顔を隠してしまう。
その後もいろいろお話させて頂いた。

Sh21「(照れたりするんだ)」
Sh9「(あの顔初めて見た…)」

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いつもと違うチームでの試合もあっという間に終盤に近づく。

7月20日。

この日の登板だけは、少しだけ緊張してしまう。
こだわり過ぎと言われるかも知れないが、1度憧れてしまったものは仕方がない。結果的に、運命を変えるところまで来てしまった。

1度ロッカーに引っ込んで祖母お手製の蜂蜜入り梅干しを口に入れる。

特に何もアピールもしてる訳でもないし、表には出してないつもりではあったが、


14［緊張してる？］

どうもエースにはお見通しらしい。


14［今日も報告行ったし、見ててくれるよ］
『…はい。いってきます』
14［うん。いってらっしゃい］

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