紅のストッパー 2

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5回が終わり、試合が一旦成立した所でキャッチャーがアツさんに変わった。
ベンチに座ってタオルで顔を拭く。

『ふー、』

ちょっと疲れてきた。加えてこの気温。なんで今が夏なんだ。

ただこのまでのイニングが早く感じる。
周東さんが言っていたゾーンみたいなものかな。
そんなん自分に起こると思て無かったけど。

氷嚢を頭に乗せて息を吐くと、どこから私の名前を呼ぶ声が聞こえた。

『、大地さん…！？』

振り向くと裏からの出口からひょっこり顔を覗かせるエースの姿。
なんで先発の大地さんが。確かに今日は大地さんの予定やったけど。
困惑で凝視しか出来ないでいると、ちょいちょいと手招きされる。
その通りに裏へ降りると、

『え、なんで？』

全然大地さんだけじゃなかった。先発ローテ陣がそこに居座っていた。

18「お疲れー」
11「ほれ、ここ座り」
14「手貸して」

亜蓮さんに肩を揉まれ、大地さんに右手をマッサージされ、のむさんやマサが隣にいる。
疲労だろうか。頭が考えるのを放棄している。

14「新井さんに"いてあげて"って言われたの」
11「自分から頼もうとしとったクセに」
14「！いやちがっ、後から皆も来たやん！」

同級生二人が言い合いしているとのむさんが入ってきた。

19「シンカー調子ええね」
『そう、ですね、まだマシです』
18「チェンジアップは？」
『ん、サクのチェンジアップの使い方はマサのときと一緒。タマちゃんありがとね』
65「！、はい！全然！」

28「お前またホームラン打ちやがって」
『床さんも早よお願いします』

そろそろ時間になってコーチに呼ばれる。皆のお陰で楽になった。

28「落ち着いてな」
『床さん…』
16「Aならいける！」
『もにじゃんぼ…』
16「おい」

結局回が終わる事に裏へ戻ってしまった。

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