紅のストッパー 2

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初めてこんな時間帯にグラウンド入るな。
いつもより赤が多い気がする甲子園を見ながら呑気に思ってしまった。試合中にあまり見ない空の色をしている。

息を吐いてサクに向き直る。

真ん中真っ直ぐ…。今まで最初はそれが多かったけど、多分向こう、こっちが思うより練ってる。

真っ直ぐでも高めの…そう。


『(なんでそこのシンカーやねん)』
31「(ヤバいこれ続くのちょっとキツい)」
40「…絶対またサクビビってる」
33「これ続くの嫌だなぁとか思ったろアイツ」

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両者点が入らないまま試合は4回へ。
複数回打席があるのも新鮮。

王子が出塁してくれて、ツーアウト一塁。

1球目はファウル。2球目は…今のストライクか…。
王子にちょいちょい目線を送っておく。
盗塁…





『(せぇへんわ)』


走者に気を取られた球に狙いを絞って、振り抜いた。

0「うぉッ」
51「嘘や！」
7「(いったな)」


《橘谷のツーランホームラーン！！広島先制！》

《今日は橘谷の独壇場ー！！》


宮島さんを聞きながらダイヤを回る。

7「『ナイスフェイント！』」

王子とハイタッチして何名かアホ顔を晒しているベンチとも手を合わせる。痛いって！

51「俺も打ったら一緒にギャルピースっすよ！」
『なんでや』
31「俺やっぱAさん怖ぇ」
61「今更？」

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