紅のストッパー

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なに？建前？半分？
離された顔を白黒させながら前のAを見る。

『相手が弱っとったらそりゃ、いつもより倒しやすいです。でも嬉しない。"不振の坂本勇人"をアウトにしても、意味無いんですよ』

目線を外しながらほんまは言いたくなさそうな顔をしている。それを見てふ、と口角が緩む。

G6「それ、応援て取ってええの？」

Aの眉がピクリとひそまる。

『んなわけないでしょ』

手に腰を当てて、しかめっ面の顔を前に出す。

『はよ獲(と)りがい戻して、大人しく三振せぇや』

ニヤリと挑発的に笑う。

こいつのこんな発言はあまり聞かんから、ちょっと驚く。


G6「、…言うたな？」

なんか一気に力が抜けて、逃げられないように服を掴んで顔をAの肩に埋めてもたれる。

『離れてもらっても』
G6「嫌」

多分相当迷惑そうな顔してんねやろうな。まぁそれがいつもやねんけど。ぼんやり考えてため息をつく。

G6「なんで録音なんかしてんねん…」
『あとから使えるけんでしょ』
G6「女怖ぁ…」
『何を今更』
G6「ふふ、」

小さく笑うとAが何か思い出したように声を上げる。

『ていうか大勢にキツく当たんのやめたってくださいよ。クレーム来てます』
G6「Aと仲良くなったアイツが悪い。Aも行くとか聞いてへん」
『辞退したん自分やん』
G6「知っとったらせぇへんかった」
『いや私も知らんかったわ』

そして、スタメン入りした俺がホームランを打つのは翌日の話。


G6「(A今どんな顔しとるやろ)」
『ほっときゃ良かった！！！』

アザラシとウナギイヌ→←対

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