紅のストッパー

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『ん、おぉどした』
20「いや、なんでもない」

いつもなら、あとちょっとの所で勇気が出ないけど、思い切ってAを後ろから捕まえる。


20「…なんかこう…離れて行きそうだなって…Aが」

あ、手汗ヤバイ。今まで普段の空気だったのに、何してんだよ。言わなくていいだろ別に。

沈黙が怖くて内心震えていると、吹き出す声が聞こえた。

『はは、お前重いねんほんま(笑)』

おかしそうに笑うので安心する。
単純な俺はいつものように言葉を紡ぎ出した。

20「A移籍興味無いの？メジャーとか」
『無いなぁ。前よりは出たけど』
20「興味ゼロだったもんね」

子供の頃からカープファンで、「出来るならずっとカープがいい」と言っていた。
興味が出たのも他のメンバーと交流があったからだろう。

『まぁクリ次第かな』
20「え、俺？」
『うん。クリがどっか行くんなら私は残る。片方居らな』
20「そっ、か」


"片方"。

敵が多いのは変わんないけど、同じ立場に思ってくれるなら…いいかな。


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橘谷’s エピソード
･橘谷のプロ初登板初セーブの記念Tシャツが出た翌日、チーム全員がそれを着ていた。橘谷はちょっと引いた。

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