紅のストッパー

あと1cm ページ26

源田side

交流戦最後の相手は広島。そのベンチから早足で向かってくるのは小さな赤色。自分に来るかと少し期待したけど、もう1人の小さな紺に一直線。

『うわぁ目線一緒！！』

そいつのほっぺを掴んで嬉しそうな声を出す。
当の本人…夏央は突然のことにドキマギしている。

Aちゃんは165cm。夏央は164cm。
Aちゃんが1番身長の低い選手だったけど、1cm差で夏央が更新した。
それで親近感湧くのは分かるんだけどさ、近くない？(付き合ってない)
あれ初対面だよね？俺の方が付き合いあるよね？(3ヶ月前に初めて会った)

L62「たっ滝澤です！よろしくお願いします！」

手を離してもらった夏央も若干顔が赤い。たまらず出来るだけ冷静を装って声をかける。

『源田さん！！』

更にパッと明るくした顔に思わず口角が緩んで、さっきまでのモヤモヤも薄れてしまう。

L6「久しぶり。Aちゃんも"源さん"でいいよ？」
『え、ええんですか…』

かわいい後輩達と居ると、また1人顔を出す。

L1「おぉやっと会えた」
『ひぇ』

横から登場した栗山さんに固まってしまった。

『かっけ…』
L6「！？」
L1「はは、嬉しいなぁ飴いるか？」

ポケットから出したパイン飴を手に乗せられると、Aちゃんがますます目を輝かせる。

ダルさんとか、Aちゃんが渋い人好きなのは知ってたし、かっこいいの分かるけど、ちょっとびっくりしてしまった。

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