紅のストッパー

まだ ページ18

Aside

球界は今日から交流戦。相手チームもビジターの球場も、いつもと違う。
カープらしく、点稼いで、そんで…

「A」

その声で、黙々とボールを投げる手が引っ張られるように止まった。

ちょっと動揺しながら振り返ると、1ヶ月前に二軍に行ったはずのそいつが、微笑みを浮かべて立っていた。

20「よっ」
『早い』
20「え、いや喜んでよもっと(笑)」

早いよ。もっとゆっくりしとけよ。働きすぎやねんて。
なんやったっけ、右内転筋筋挫傷？なんて読むんや。()

『まだセーブ稼げる思たのになぁ…』
20「まぁでもすぐにはクローザーじゃないと思うからさ」
『あぁマジ？』

そか、まだ調整か。

20「その間Aの肩壊れなかったらいいけど」
『1年目1人やったわ』
20「5セーブだっけ？」
『41や！！』

おい、笑うな。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

Bs13「Aさーん」
『お、久しぶり』
Bs13「お久しぶりですー」

グラウンドに出ると、ふよふよ(？)やってきた宮城。
挨拶を交わすと、後ろの方にどことなくソワソワしながらポツンと立っている長身を見つけた。
アレって…

Bs13「あ、やっぱバレちゃいますか…」

「紹介したく無かったんですけどねえ」とかなんとか言いながら、長身に手招きする。

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