紅のストッパー

恩師 ページ17

Aside

「お、守護神」
『クロさん！！』

黒江慶護(くろえ けいご)さん。私をこの世界に入れてくれた張本人。

カープのスカウトマンとして中国･四国を担当してきたクロさん。たまたま済美に来て、私を見つけてくれた。

"プロになる気はある？"

"…正直言えば"

"大学は？"

"はい。行きます"

"そっか…じゃあ4年後、待ってて"

その4年後。私はドラフト会議の最後に特別枠として名前を呼ばれた。
困惑しながら移動すると、そこにはクロさんが立っていた。

周りに反対されたけど、監督を必死に説得したらしい。

"世間は拒絶するかもしれません。でもあの子は絶対生きられます！！"

いやお世話になりました。申し訳ない…。

15「おぉケイ来とったんか」
『っ！！？、！？、くろ、黒田さん！！』

カープのレジェンド･黒田さん。自分の着けてた番号、永久欠番にされてみたいよ…。

15「いやビビりすぎやろ」
「まだAには怖いなぁ」
15「アイツの教育受けすぎたな…」
25「あっ！！黒田さん！ケイさん！」

我らが監督。しかしこちらに駆け寄る顔は完全に少年。

15「新井お前、Aに俺のこと怖いとか言うてんちゃうやろな」
25「え！？言ってないですよ！！」
『…多分』
15「多分！？」
25「Aっ！言ってないやろ！？」

あたふたしだす新井さんをイジりながらも柔らかい表情を作るクロクロコンビ。

『クロさんと黒田さん同級生でしたっけ』
「うん。同郷･同級生」
15「もうおっさんやわ」
『おっさんやないです。かっこいいおっさんです』
「おっさんて言うてるやん」

やって21億蹴って4億で広島戻ってきたんやで？
40歳越えて2桁勝利て。ゴリラやん。
クロさんもスタウトマン歴20何年やろ？ゴリラやん。

15「ん、そやケイ、こないだ言うてたやつ…」
「あぁ、今日でもかまん？」
15「おん」

お2人が仕事の話をし出すと、新井さんが気合いを入れるように手を軽く叩く。

25「さぁー、連勝止められたからなぁ」
『！、DeNAですよね。明日誰になりました？』
25「バウアーやって」
『…サイ・ヤングッ』


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黒江さんとごっちゃになりそうなので黒田さん「15」にしました。広島の15番ですからね！((

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