紅のストッパー

紅いナイフの苦手なもの ページ12

秋山side

9「おぉA…えなになに！？」

ウチの守護神が走って来たかと思ったら、光の速さで俺の後ろに隠れた。
いやマジでなんなの。

訝しげな顔をしていると追いかけて来たのは次期エース。

18「Aほら、ダメだって」

続いてもう1人の守護神が顔を出した。

20「あ、いた」
9「これどしたの」
20「目薬です」
9「めぐすり？」

2人曰くAは目薬が死ぬ程嫌いで、プレーでよく使うし、繊細なため定期的に指さないといけないが、毎回こうして追いかけっこになると言う。
今回も目薬を見た途端逃げ出したらしい。

18「ドライアイになったらどうすんの」
『そんなんでならん』

くぐもった声で刺々しい。

9「なにが嫌なの」
『こう…迫ってくる感じが嫌なんです』

その理由でコンタクトもダメらしい。
なるほど、見え過ぎてもめんどくさいんだ。

18「昨日も守備出たじゃん」
『絶対せん』
9「いやダメでしょ。A目大事なんだから」

おい人選ミスったみたいな顔すんな。
森下がため息をついてしょうがないなみたいな顔をする。

18「栗林さん、大地さん呼んできて」
20「うん」
『え、あかん！！』

名前を出した瞬間初めてAが顔を出す。
しかし時既に遅く、ちょっともしない内に現エースがやってきた。

14「Aー、また渋ってんの？」

大地の言い方から、本当に毎回のことらしい。
続けてじゃあ、と口を開く。

14「俺指そうか？」

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