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「偖、此処に連れてこられた意味が分かるかい?」
『んー、なんとなく。どうせ、ころすんでしょ?』
「そうしようと思っていたんだが、君の異能を聞いてね。」
ああー、つい先刻あのチビが電話してたなあ。
あの時、携帯浮いてた。
「最近、私の可愛い可愛い可愛い可愛いエリスちゃんが、悪夢を見るらしくてね。」
『へぇ・・・。』
なんか伽羅やばくなった、イケオジ。
『あ!分かった。そのエリスちゃんに異能を使って、良い幻を見せるって云うこと?』
「そうだよ。」と云い笑っている。
『幻だからなあ〜、悪夢はどうだろうか・・・。エリスちゃんって子は何処にいるの?』
「嗚呼、そこにいるよ」
指の指す方向に行こうとした時、腕を掴まれた。
『?まだ、話ある?』
「聞きたいことが一つあるんだけど何故、芥川君を助けたんだい?」
『・・・・・・助けた訳じゃないんだけど、まあ・・・・・・芥川くんが私に見えたから・・・かな?』
あの時、私と同じ匂いがした。
誰かに認められたい気持ち、それと寂しい気持ち。
まあ、芥川くんはあんまり思わないとおもうけど。
『もういい?』
「いいよ。」
・
『エーリスちゃん』
「・・・貴方、誰?」
『私は池津A』
「あ、貴女なのね!アクタガワを助けたの!」
『んーまあ、そんなとこかな。』
エリスちゃんは絵を描いている。
『エリスちゃんはなに描いてるの?』
「ふふ、皆の絵よ!Aに教えてあげるね!」
「これはね、リンタロウ!これは・・・」と云いながら、描いた絵を指す。
「これが、キョウカ!」
『あれ?この子・・・』
「?・・・これが、チュウヤ!」
『あ、チビだ。』
「チュウヤはね、だいごかんぶ?ってやつなのよ!」
『え!?あのチビが?!』
そうだったんだ・・・。
「そうだわ、Aも描いてあげるわね!」
『へ?良いの?』
「うん!Aは私を描いて!」
『おーけー、おーけー。』
私たちは、黙々と絵を描き始めた。
「(ふふ、可愛らしいねえ・・・)」
あのイケオジがそんなこと思ってるとか、知らない。
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作者名:嫌われ者 | 作成日時:2017年4月6日 15時