恋と涙～緑～ No.3 (ページ43)

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1週間の一時帰宅が許されて、今日で5日。

今日は忠義と最後のデート。

めいいっぱいお洒落して、

迎えに来てくれた忠義に会うために勢いよく玄関の扉を開けた。

『お待たせ～』

大「えっ。」

じーっと私の顔を見るもんだから、

『顔にご飯粒でも付いてた？』

…おかしいな？

鏡で確認したよ？

大「え、ちゃうよ！」

大「か、かわいいな…って。」

そりゃね(笑)

最後のデートだもん。

忠義の記憶に、少しでも可愛い私でいたいじゃん…？

そんなこと言えるわけないから、

『ありがとう』

とだけ伝えた。

大「行こっか！」

『今日はどこ行くん？』

大「内緒ー(笑)」

『教えてよ(笑)』

大「いや～笑」

こんな調子で、乗ってた電車。

そしたらひとりのおばあちゃんが話しかけてきた。

おばあちゃん「2人ともデートかい？」

『そうです♡』

おばあちゃん「そっかそっか、私にもこんな時期あったのよ～」

って昔ばなしが始まった…(笑)

おばあちゃん「でもねぇ、、彼は病気で亡くなったのよ、」

大「…え」

おばあちゃん「まだ、20にもなってなかったのに、、」

おばあちゃん「それから私は彼のことが忘れられなくて、結婚もしないで時間だけが流れていったのよねぇ…」

おばあちゃん「だから、孫がいるようで楽しかったわぁ～」

おばあちゃん「デート楽しんできてねぇ～」

そのおばあちゃんはちょうど着いた駅で降りた

『……。』

大「…。」

気まずいっ

『…ところで、どこに向かってるのですか？』

さっきまで建物ばっかりだった窓の外がいつの間にか海になってるんですけどっ？