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望「……ここ、僕ん家なんで、


とりあえず、寝てください、」







散乱した服を退けて、
ソファーに彼を横にさせる。




パッと電気をつけると、
やっぱり見惚れるくらい綺麗な人やった。






望「……ぁの、怪我の処置だけ、」







どうせ何言うても無視なんやし、って
消毒液とティッシュを手に取って
腕の怪我に絆創膏を貼ってあげる。







「……、ぁの、、っ、」






望「……ん?」






その途端、小さな小さな声がして、
すぐに彼の口元に耳を近づけた。






「……っ、すいません、」






望「……全然、」






水分量の多い瞳が俺をじっと捉えて、
その目に吸い込まれそうになってまう。



低くて落ち着いた、優しい声やった。






望「……っ、ぁの、」






「……っ、」






望「……もしよかったら、


今日、ここに泊まっていきませんか、?」






一目惚れ、かもしれへん。
なんだか彼を、もっと知りたいと思って。







「……ぇ、」






望「……ぁ、変な意味やなくて、


もう、時間も遅いし、体調悪そうやし、」







「……っ、、なんで、」






ソファーから無理に体を起こした彼は、
今度はまっすぐ俺の目を捉えた。







「……、なんで、そんなに、」






望「ん?」






「……知らん人に、やさしく出来るん、」







パァン!と外で大きな音がして、
花火が始まったことに気づく。



俯いた彼の頬に涙が伝って、
思わず息を呑んだ。






……消えてまうんやないか、






望「……っ、」







まだ名前も知らん彼の手を取って、
正面から優しくハグをする。

ほとんど、無意識やった。







望「……っ、すいません、っ!」






はっと気がついてすぐに体を離すと、
彼はふるふると首を振って。






「……、俺も、、ごめんなさい、」






慌てて手で頬の涙を拭った彼は、
へへって少し口角を上げる。





さっきまであった警戒心も溶けたみたいで
ちょっとだけ嬉しかった。







「……っ、げほっ、ぇほ、っ、」






望「……ぁ、寝てて、ください、」






花火が終わると、喉が詰まるような
咳をしだすから、慌てて横にさせる。





夜が深くなるにつれて咳が酷く
なっていくから、俺も心配で心配で。




深夜2時をまわった頃くらいに、
ほぼ気絶したみたいに彼は眠りについた。

ep.2 流星→←.



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夏空(プロフ) - めめさん» ほんとですか〜〜!ありがとうございます( ;︎︎ ; )感想とっても嬉しいです!!クリスマスまでには完結させたいなあと考えていますので、ぜひたのしみにして頂けたら嬉しいです。ぜひTwitterにも遊びに来てくださいな! (2021年12月18日 18時) (レス) @page40 id: 863383abbd (このIDを非表示/違反報告)
めめ - エンディングの時からすごい好きで長編にしてくれてすごい嬉しかったです。毎回更新の日が嬉しくて待ちどうしいです二人がどうして出会ったのかが知れておもしろいです後悔がとても感動しました。これからも頑張ってください (2021年12月5日 20時) (レス) id: 3e215b69c3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夏空 | 作成日時:2021年8月18日 21時

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