シンデレラ 2 (続)(桃青)

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崇裕「……流星？」







とにかく人に愛されたリコやから、
お葬式には人がいっぱい参列しとって。




お経を聞いてお焼香を上げて、席に戻る途中。

そんなたくさんの人の空気に
耐えられんくなったんか、
隣の流星が俺の袖をきゅっと掴んだ。





流星「……はぁ、、っふ、っ、、はぁ、」





崇裕「……ん、大丈夫大丈夫、苦しいな、

ちょっと外の空気吸おっか、な？」





今にも崩れ落ちそうな流星を支えて、
一旦外に出させてもらう。






流星「……げほっ、ごめん、っ、はぁ、っ、」




崇裕「大丈夫よ、もう帰ろうや、な？

俺も疲れたし、帰らせてもらお？」






十分頑張った。
ただでさえこんな場所が苦手な流星が
ここまで耐えたんやから、上出来やわ。





受付におる方に、今日はもう帰らせて貰います
って礼をして、流星を支えながら車に戻る。






崇裕「ん、ほら、車乗り」





その時やった。






「……崇裕さん、」





少し小さなその声に振り向くと、
一人の女性が立っとって。






「……井上莉子の、祖母です、」





崇裕「……あぁ！、お久しぶりです、」






はるか昔、ユウが生きとった頃に
お世話になっとった、リコのお婆ちゃんやった






崇裕「……この度は、ご愁傷さまです、」






そう言うと、お婆ちゃんは深く俺に礼をする。






「あのね、崇裕くんに預けたいものがあって」




崇裕「……預けたいもの、？」






そう言って取り出されたのは、1通の手紙。






「りゅうせいくん、って、ご存知かしら、」





崇裕「……っ、、」






" 流星くんへ "






そう書かれた封筒を見て、
思わず言葉を失った。






「……リコが、死ぬ前に、私に預けてきたの、

望くんでも、崇裕くんでもない、
初めて聞いた名前だったから、」






少し振り返ると、車の横に立った流星は
不安そうに瞳を揺らしとって。






崇裕「……知ってます、

僕が、流星に渡しておきますね、」






「……ありがとうね、」





よろしくね、ってお婆ちゃんはニコリと笑って
礼をして葬式場に戻っていく。





「……ぁ、」





崇裕「……はい、」





「……後ろの方は、お連れさん、？」





流星「……っ、」





崇裕「……はい、」





「……そう、すごく綺麗な方ね、」





崇裕「……っ、」





それだけ言うと、お婆ちゃんはもう
振り返ることはなくて。



……その凛とした佇まいが、
リコにそっくりやった。

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