第4話 ページ4
何故、私はイケメンと二人きりで歩いているのだろう。
これは、先程から私が何十回と自問自答している問いである。
まぁ、自答はできていないけど。
「なんつうか、こうやって並んで歩くの、すげぇ久しぶりだな」
「あー……え？ま、待って。私、轟くんと並んで歩いたことなんてあったっけ！？」
あまりに自然に身に覚えのないことを言うので、思わずそうだねと返しそうになった。
すると、轟くんはキョトンとした顔で私を見る。
「覚えてないのか？」
何を？
というのは声に出せないまま、轟くんの顔を首をかしげた状態で見つめた。
覚えてない…？
私、轟くんと関わったことなんてあったっけ…？
「ご、ごめん…」
「いや、いいんだ。昔のことだしな。覚えてなくても仕方ない」
なんだか、少し申し訳なくなる。
でも、本当に分からない。
だって私は、轟くんに会ったのは今日が初めてだったから。
多分、人違いなんだろうな…。
「大丈夫だ。これからまた思い出してもらう」
私を安心させるように優しく笑った轟くんを見て、また胸が大きく跳ねる。
ほんと、イケメンの笑顔って心臓に悪いな…。
「それより」
まだドキドキと鳴る心臓を落ち着かせるように胸を抑えていると、轟くんの声が少し低くなった気がした。
気になって見上げると、いつの間にか彼の整った顔が目と鼻の先まで近づいていた。
「なっ、なななな、何！？」
今しがた落ち着かせたばかりの心臓はまた速さを取り戻して、反射的に私は後ずさった。
その距離を埋めようと、轟くんがまた近づいてくる。
後ろの壁に足が当たって、逃げ場が無くなった私はどうする事も出来ず、ただ近づいてくる彼の顔を見つめるしかなかった。
「さっきの……あいつと、仲いいんだな」
「あ、あいつ…？」
わあ、近くで見れば見るほど綺麗な顔してるなぁなんて関係ないことを頭の片隅で考えながら、首を傾げる。
「さっき一緒にいたやつ…」
「あっ、心操くん？」
こくりと静かに頷く彼を見て、友達の話題になったと思った私の口は軽くなった。
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なっつ(プロフ) - めっちゃハマりました〜！何回も読み直してます！続き待ってますね★ (2019年7月12日 8時) (
レス) id: 891cb8f982 (このIDを非表示/違反報告)
ヨシ - 轟君がピュアで可愛すぎる…！いいですね、ピュアろき君！更新楽しみにしてます！ (2019年7月3日 22時) (レス) id: 59138960e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨夜なつ | 作成日時：2019年5月24日 20時
