第13話 ページ13
「何固まってるんだA。早く食べないと、全部お父さんが食べちゃうぞ！」
「そーよ、この人胃袋と器だけは大きいんだから」
なんか始まったぞ、と冷静な私が頭の中で私に言った。
どうやら人間はあまりに衝撃的なことが周りに起こると冷静になるらしい。
おずおずと、顔を引き攣らせながらも轟くんの隣に座る。
「ちょっとお母さん！他にも大きいとこあるでしょ！？男としてさ…」
「その話変な方向に行きそうだからやめて貰えるかな！？」
急に始まった生々しくなりそうな話に、私はすぐさま中止の合図を送るが、そんなこと気にもとめず家族が騒ぎ出した。
人様の前で恥を晒すのは辞めてくれ、頼むから。
「父さんより俺のがでけぇよ」
「………………っ！？」
「いや何ショック受けてんの！？てかどこの話してんの！？」
そんな私の願いも虚しく、彼らはどこまでも自分のペースで話を進める。
ドヤ顔をかました弟を、お父さんが絶望した顔で見つめる。
父と息子でそういう話をするのは銭湯とかにしてくれ。
この話の流れで息子という文字を出すことすら私にはダメージがある。なんだこれ。
「もーやだぁ！焦凍くんが一番大きいに決まってんじゃない！」
「轟くん巻き込まないで！！」
二人の話を聞いて愉快に笑う母が轟くんを巻き込もうとするので、お母さんのバカー！！！とトトロのメイちゃんのように泣き叫びたくなる。
さっきから大きい大きいと、どこの話をしているのかあえて言わないのがまた下品さを際立たている。
轟くんを巻き込もうとするお母さんを止めようとしたが、それもどうやら無駄なようだ。
「ねー？焦凍くん！」
「まぁ、デカいほうだとは思います」
「なぜ答える！？」
母の質問に淡々と答える轟くん。
そして何故自慢げなんだ。
男とはそういうものなのか？
ダメだ、色々と追いつかない。
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なっつ(プロフ) - めっちゃハマりました〜！何回も読み直してます！続き待ってますね★ (2019年7月12日 8時) (
レス) id: 891cb8f982 (このIDを非表示/違反報告)
ヨシ - 轟君がピュアで可愛すぎる…！いいですね、ピュアろき君！更新楽しみにしてます！ (2019年7月3日 22時) (レス) id: 59138960e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨夜なつ | 作成日時：2019年5月24日 20時
