第2話 ページ2
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「なんかぐったりしてるけど大丈夫か？」
バスに酔った人のように教室の窓辺で項垂れる私を見て、クラスメイトであり友達でもある心操くんが不思議そうに声をかけてくる。
言ってしまいたい。吐き出してしまいたいけれども、どう説明すればいいのかわからない。
初対面の人、しかも“あの”轟焦凍にプロポーズされたなんて言えるわけがない。
いや、言ったとしても本気にされるわけがない。
心操くんなら尚のこと、楽しそうに笑って「どんなボケだよそれ」と言われるに違いないんだ。
「……ナンデモナイヨ」
「ふーん。まぁ、エンデヴァーの息子にプロポーズされたらビビるわな」
知ってたんかい。
ていうかなんで知ってるんだこの人。
心を読めるエスパーか？
実は個性“洗脳”じゃなくて、“千里眼”とかなんじゃないの？
「言っとくけどエスパーとかじゃないからな。目撃者だよ」
いやもうその時点で心読んでるんだけどな…。
そんなのは言葉にせずになんともいえない表情で彼を見る。
「面白いことになってんじゃん。何したんだよお前」
「何もしてないよ！！」
さっきのことを思い出したのか、心操くんはクスクスと面白そうに笑っている。
それを見て、人の気も知らないで…と顔を引きつらせた。
何もしていない、本当に。
私はただ平凡に人生を過ごしてきて、平凡すぎて人生大丈夫かななんて思ったほどだ。
そんな私が、あんなイケメンで、いろんな意味でヤバそうな人にプロポーズされるなんて想像出来るはずがない。
ていうか、もう今の段階でさっきのは幻だったんじゃないかと思っている。
「やっぱ幻だよねこれ。幻っていうか、夢？」
「じゃあ夢から覚ますためにお前の顔殴ってやろうか？」
「サラッと鬼畜発言やめてくれる！？こっちは真剣なんだからね！？」
本当にこの男は、仮にも女子相手に何てことを言うんだ。
仮にも女子って…自分で言ってて悲しくなってくる。やめよう。
というか、割とガチで真剣だ。
きっと自分は今平凡すぎるが故にとんでもない夢を見てるんだ。
そうだ、そうだろう。
どうしてこんな悲しいやつになってしまったんだ自分。
平凡な毎日に嫌気がさして、イケメンにいきなりプロポーズされる夢を見るなんて。
平凡が一番じゃないか、目を覚ませ私。
「残念ながら夢じゃないらしいぞ」
ニヤケながら私に言う心操くんの指の指す方を見れば、そこには轟くんが立っていた。
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なっつ(プロフ) - めっちゃハマりました〜！何回も読み直してます！続き待ってますね★ (2019年7月12日 8時) (
レス) id: 891cb8f982 (このIDを非表示/違反報告)
ヨシ - 轟君がピュアで可愛すぎる…！いいですね、ピュアろき君！更新楽しみにしてます！ (2019年7月3日 22時) (レス) id: 59138960e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨夜なつ | 作成日時：2019年5月24日 20時
