むっつりーち【twst】 (ページ12)

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むっつりーち。そのじゅうにページ12

たたん、とけーくん先輩の指が止まり、当たり前のようにスマホを返された。画面にはマジカメのQRコード

｢もう、今までAちゃんのマジカメ広まらないようにしたり、知ったやつ口止めしてたりしてたけど…がんばって200人くらいに抑えたのに！もうジェイドくんに守ってもらうから大丈夫だもんね！！｣

｢うわあ？！な、なにこれだれ？ほとんどイグニハイド寮生…？｣

急にマジカメのフォロー通知が鳴り止まなくなる

プロフィールにはNRCと書かれてて、アイコンがアニメのキャラだったり、IDにイグニハイドってかっこよく入ってるヤツとかがいることからほとんどがイグニハイド寮生だってわかった

けどなんで急に…

｢さすが学園の癒し…学園外にも伝わるんじゃない…？それじゃ、けーくんはもう行くね！｣

｢ま、まっ、おい！｣

敬語も猫かぶりも忘れて素で叫んだが許して欲しい

マジカメの通知が止まらないのは絶対けーくん先輩だし、｢Aちゃんのマジカメアカウント知りたい人ー！｣なんて叫びながら食堂をかけてくのはやめて欲しい

そしてそれに群がる他のやつらもやめて欲しい

いい加減ウザったい通知音をとりあえず切って、ため息をつきながら後ろのエースたちをちらりと見た

その際、未だにこちらを見ていた監督生と目が合った

キラキラした瞳になんか苛立って、クリームパスタに入ってた海老を乱暴に刺して口に運んだ

｢小エビちゃん、だっけ｣

そう、フロイドが言ってた気がする

ボソリと呟いた

｢随分、楽しそうなことがあったようですね｣

そんな声と共に、横に大盛りの具材が盛られた皿が置かれた

｢ジェイド…おそい｣

不機嫌そうに彼を睨めば、ジェイドは困ったように笑うのだ。けーくん先輩とはちがう、薄い唇をにいっと歪めて

｢すみません、他に少しだけ用事が出来まして、さっさと片付けてしまいました。安心してください、もうひとつも、ちゃんとすぐに終わらせるので｣

後ろに行くに連れ表情が落ちて、スマホに目が落とされる

そんなジェイドを見て、俺は

｢そっか｣

と笑った

ほんとうに、

.

次の日、マジカメを開くとフォロワーは以前よりも少なく、フォロー数と同じくらいになるほどになっていた

｢貴方を追いかけるのは僕だけで十分です｣

ウツボは影で、小さく笑った