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9枚目 ページ9

日本が負けるはずがない。それを一番に信じて実践するのが佐久間のいる陸軍であり大きく軍と称されるものの役目なのだ。その考えを根本から覆す考えを一軍人である機関生の奴らが考えている事実に佐久間は衝撃と憤りを隠せないまま眠りにつく事になった。無論、翌朝になり目覚めても気分は晴れなかった。


 後日、参謀本部にて 卵を飲み干す男。佐久間は武藤大佐に呼ばれ一呼吸を置いて扉を叩く。武藤大佐の苛立った様子にうんざりしながらも用件が伝えられるのを待つ。「早急に証拠を抑える様に言え、奴がスパイなのは間違え無い。言い逃れが出来ない様な確かな証拠を持って来るんだ分かったな」今回、武藤大佐の命でD機関に与えられた仕事はジョン・ゴードンというアメリカ人にかかった容疑を確かなものにすること。「三年前に大手貿易会社の招きで来日日本に輸入されるの精密機器の点検、確認業務を受け持っています。神田に日本家屋をかりて住み茶碗と箸で飯を食い、朝晩御真影に柏手をうつ親日家として通っています」ゴードンの親日ぶりを伝えるには十分な内容だった。そんなゴードンにスパイ容疑がかけられた。別件で逮捕させられた男がゴードンの名を口にしたからだ。


 佐久間はすぐに結城中佐に伝えた。「武藤大佐は本校が的の容疑を確定する証拠を出すことを期待しておられます」大東亜文化協曾に戻り武藤大佐の職務室とは違う心地悪さの漂う書斎の扉を叩く。「証拠だと、そんな物探してどうする」佐久間にとっては耳を疑う言葉だった。は、今なんと。結城中佐の返答に疑問を抱く。「証拠など探さなくても、放っておけばそのうち姿を消す」そう言う結城中佐に詰め寄る。「ゴードンには我が大日本帝国陸軍の暗号書を密かに盗みっとたと言う重大な容疑がかかっています」


 佐久間の言葉を切り捨てる様に結城中佐は続ける。「スパイは疑われた時点で終わりだ。廃兵同然の相手を今更捕まえても仕方あるまい」尚も食い下がる結城中佐に佐久間は言葉を続ける。「現在、参謀本部では本校に対して実績を求める声が強くなっています。つまりこれはD機関に対する正式な任務命令なのです」実績を求める声が軍内部からも上がっているのは事実。


 佐久間の考え同様にスパイの育成など道徳心に背く行為だと思う輩も少なくはない。それを結城中佐は「無意味な任務だ」と一切する。「それでも命令は命令です」結城中佐も佐久間が引き下がらない事を分かったらしい。

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カナリアナ(プロフ) - エルモさん:仲間ですね!!自己満足になってしまうんですが、小説も頑張っていこうと思います。読んでくれてありがとうございます!! (2019年12月9日 21時) (レス) id: ddfa994d58 (このIDを非表示/違反報告)
エルモ - ジョカゲ好きです!! (2019年12月9日 20時) (レス) id: 9cee2cc714 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カナリアナ | 作成日時:2018年12月12日 21時

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