40枚目 ページ40
Aから神永に手渡されたのはパーティ用の正装服。「ありがたく思ってよね。マークス中佐のとこから脱出後に一緒の車に乗って私もパートナー役で一緒に船に向かう手配だったんだけど、脱出して手荷物も無しで車に乗ってるから、わざわざ車を降りて荷物取ってきたんだから」確かに車に女性が乗ってきた気がする。後ろは振り向けないしバックミラー越しで確認しても下を向かれると人物の判断が出来無い。俺はAにフォローまでされたらしい。
準備を終えてパーティに参加している。パーティと言っても立食会のようなもので、それぞれが自由に動いている。Aには婚約者として同行してもらっている。「皆さま、良い船旅を」艦長の挨拶とともに煌びやかなパーティが始まる。メイソン氏が仮に船へ薬を持ち込んだとして、それをどう売買するんだ。船内では少々目立ちすぎる。まさか、クルーに内通者が。いや、居たところでどうやって船から持ち出す。
港で停泊といってもクルーに船から降りるチャンスはあるのか。やはり、内通者の線は薄い。だとしたら、自分で持っている可能性が高い。いっそのこと部屋に乗り込むか。「あなた、どうかしました。顔色が優れませんわ」神永の硬い表情に心配そうにAが見つめる。「ああ、少し酔ってしまったかもしれない」その言葉に慌てて「まあ、何かお飲物をお持ちしますね」と言ってAが踵を返すと、後ろにいた男性にぶつかり男性の手に持っていたワイングラスが揺れ彼自身のシャツにワインの赤が染まる。
赤ワインにまみれた男はジョシュア・メイソン。「申し訳ありません」すぐにAが謝る。「いいんだ、気にしないでくれ。替えのシャツならあるから大丈夫だ」そう言ってメイソン氏はは出口へと向かう。神永が追って声をかける。「もしよければ、僕が前に立ってシャツの目隠しになります」Aとメイソン氏、神永の三人でメイソン氏の部屋へ向かう。「せっかくだ、ここで飲み直そう」と言われ、「いえ、そう言うわけには」誘いを断る会話をするが、メイソン氏の口車に乗せられた様にしてワインに口をつける。
さて、この部屋のどこに隠されているのだろうか。または、もう捌いたあとなのか。どっちにしろ、確かな証拠がいる。どうしたんだ、らしくない。俺が頭を悩ますなんて。Aはもう気づいたのか。ちらりと顔を伺うが相変わらずも無表情で何を考えているのかわからない。考えあぐねていると一つの可能性が見えてきた。
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カナリアナ(プロフ) - エルモさん:仲間ですね！！自己満足になってしまうんですが、小説も頑張っていこうと思います。読んでくれてありがとうございます！！ (2019年12月9日 21時) (
レス) id: ddfa994d58 (このIDを非表示/違反報告)
エルモ - ジョカゲ好きです！！ (2019年12月9日 20時) (レス) id: 9cee2cc714 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カナリアナ | 作成日時：2018年12月12日 21時
