私は、皆のことが。３【東リべ】 (ページ30)

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夢と覚悟ページ30

エマちゃんと私のベッドで寝た。
私のベッドは邪魔では？と思う程デカいから。

すると、夢を見た。
いつもは見る事の出来ない夢を。
幸福で、楽しくて、哀しい夢を。
近くに人肌があるからだろうか？

お兄ちゃんが優しく私に微笑みかけてくれる。
私がお兄ちゃんに駆け寄ると急に血塗れになって私の横を通り過ぎて行く。
その先には東卍のメンバーが。

私はそれを見てーーーーー

エ「…ね…ぇ、A！」
『…っ！……エマ、ちゃん？』
エ「どうしたの！？傷が痛むの！？」
『え…？そんな事…』
エ「だって！泣いてたよ？それとも嫌な夢でも見たの？」

そう言われて頬を触ると確かに涙を流していた。
あぁ、駄目だ。気をしっかり持たないと。
エマちゃんに笑いかける。歪んでるかもしれないけど。

『…大丈夫。傷が痛んだせいでちょっと良くない夢を見ちゃったみたい。』

そう言うとエマちゃんはそっか、と言った。
そのまま部屋から出て行こうとしていたけどドアを開けた時、こっちに振り返って

エ「辛い事があるんだったらウチでも……誰でも良いから言いなよ？全部抱えても疲れるだけだよ？」

と言ってきた。
そう言って直ぐに出て行ったけれど私は追いかける事が出来なかった。
怖くなったのだ。
寝言でお兄ちゃんが死んだ事、それに近しい事を言ってしまったのかと。
もしそうならきっとエマちゃんは心配して信頼してる人…真一郎さんとかに話してしまうかもしれない。

そうなれば終わりだ。
全部バレる。お兄ちゃんが死んだ事。
死んだ後くらい私だけのお兄ちゃんであって欲しいのに。
悩んでいると部屋の外から声が聞こえてきた。

千「Aー！場地さんが！呼んでるー！！」
『…分かったー！！』

大丈夫、大丈夫。誤魔化せる。
私はお兄ちゃんの為ならいくらでも自分も他人も騙せるから。
だから、大丈夫。

ドアを開ける。

玄関の方に行くと圭介が居た。
分かってる。話したい事も。
東卍での立場をどうするか、でしょ？
そんなの決まってる。きっと圭介も同じ事考えてると思うけど。
２人で少し離れた所に向かう。

『圭介。話したい事って東卍の事？』
場「そうだ。俺は壱番隊隊長には戻らねぇ。お前はどうする？」
『私も副総長には戻る気無いよ。裏切った時から覚悟は出来てる。』
場「…まぁ、そーだよな。」

きっと今日見た夢もこの為。
東卍に対して少しでもつまらない感情抱けばダメージも減る筈だから。