私は、皆のことが。【東リベ】 (ページ38)

今日:5 hit、昨日:1 hit、合計:33,888 hit

不穏な事ページ38

『え…でも、私、真一郎さんの事ちゃんと守れなくて…。』
真「いいから！周りを見てみろ？俺はどういう風に見られてる？」

…？周りを見てみると皆さん、お気の毒に…というような顔でこちらを見ていた。
当然のことだよね？周りの皆さんからしたら真一郎さんは殴られた被害者なんだし。
と思って首を傾げるとため息を吐かれた。何故に？

真「あ～、Aちゃんは俺の腕を引っ張って助けてくれたろ？だから気にすんな。俺が死んでねぇのはAちゃんのおかげだ。それと、俺を殴ってきた奴はどうしようもねぇけど罪が軽くなる様にお願いしてみるわ。」
『え、でも、殴られて…』
真「あいつら、マイキーの友達だろ？ケースケも居たしな。なら多分だけどマイキーの為にしたんじゃねぇか？盗みはダメだが気持ちは同じだ。」

くっ！真一郎さん、いい人！！
なんでこんないい人の弟は天上天下唯我独尊男なの？？
あ、逆に普通か。だってこんなにいい人だもん。我が儘し放題だし。
…私も気をつけなきゃ。マイキー君みたいに周りを振り回すのは良くないし！

病院に着いて診断を受けた結果、真一郎さんは肩の骨が折れていたらしく入院する事になった。
あの２人に関しては圭介君を一虎君が庇ったそうで、一虎君は少年院に入る事になったらしい。
面会出来るらしいから行こうっと！
ちなみに病院に来てるって連絡したらとお兄ちゃんが迎えに来てくれるとのこと。

『じゃあ真一郎さん、またお見舞い来ますね！』
真「来る隙ねぇかもな。」

と笑顔で言ってくれた。
つまりはすぐ回復するよって事かな？
そっちの方が私も嬉しいよ！マイキー君やエマちゃんも心配してるだろうし。
私も笑顔で手を振って挨拶してから病室を後にする。

しばらく待っていると看護師さんが話しかけてきた。

「お嬢ちゃん。お兄さんが迎えに来てるって。」
『そうですか！ありがとうございます！』
「いい子だね。案内してあげるね。」

と言ってさっき来た方向に戻っていく看護師さん。
その後を着いて行くとその先にはお兄ちゃんが見えた。
だから看護師さんにお礼を言ってからそっちの方へ向かった。

迎えに来てくれたお兄ちゃんは深刻そうな顔をしていた。思わず声をかけるとお兄ちゃんはその顔をグシャリと歪めて震える声で言う。

『どうしたの…？お兄ちゃん？』
翔「ごめん、ごめんな。…俺ら、な伯父と伯母と養子縁組する事になっちゃったんだ。だから…暫くそっちの家に行かないといけないんだ。」