第196話 ページ4
『お疲れ様、よく頑張ったね』
大きな怪我なく呪霊を祓い終えた2人を褒めているとプルル、と私のスマホが鳴った。
誰かと思いながらその電話をとると、聞こえてきた第1声が「真希が呪いにあてられた」だった。
しかもその声は、聞き慣れた五条先輩のもの。
五条先輩はその後、私達に真希達がいる病院に向かって欲しい、と言って病院の名前を教えてくれた。
そしてその後、たまたま近くにいた新田ちゃんに拾ってもらい、病院まで向かっていたのだ。
『ちょっ…!2人共病院で走らないで!』
車で病院に着いた途端、狗巻君とパンダが一目散に中に入っていってしまった。
心配なのはわかるけど、
私はここまで連れてきてくれた新田ちゃんに「ありがとう」言ってから2人の後を追う。
緊急だったから真希がいる病室を五条先輩に聞き忘れていたんだけど、2人は呪力で真希がどこにいるかわかったらしい。
だから私は2人の後を追うだけで、真希を見つけることができた。
『なんだ…元気そうじゃん』
私はあえて病室に入らず、病室の外で3人の様子を見守った。
そうしたのは私が邪魔だと思ったからだ。
今はあの子達だけの時間。だから大人の私が入ったら邪魔になってしまう。そう思ったから、私は病室に入らずに3人を見守った。
「…おねぇちゃん」
低い位置で声がして、私はそこを見る。
すると、そこにはパジャマ姿の、キャスターつきの点滴スタンドを持っている男の子が立っていた。
『(この格好から見て入院してる子っぽいよね)』
私はしゃがんで、男の子の目線に合わせて「どうしたの?」と聞く。
「ここ…どこかわかんない」
『(迷子になっちゃってるっぽいな…)
そっか、じゃあお姉さんと一緒に看護師さんのところに行こうか』
せっかく話しかけてくれたのに申し訳ないけど、私はこの病院のことを全く知らないからこの男の子の病室がどこにあるかなんてわからない。
私は男の子の手を握って、看護師さんを探しに出た。
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作者名:マミ 2世 | 作成日時:2023年12月14日 20時