女海賊 ページ13
顔は隠していても慎重に行動しなければ。
そう思いシャンパンに口をつけた矢先、
「あー!!!鳩山さんーーー!!」
人混みの中から何やら大声を上げて走ってくる奴がいた。
軽くスルーしようとしたが、奴はAの名前を大声で呼んでいる。
とりあえずこちらに走ってきたソイツにラリアットを食らわせた。
「ぐぅえっ」
お構いなしに突っ走ってきたアルク(ここでは元の名で呼ぼう)は苦しそうにもがき苦しんでいる。
そのアルクの胸ぐらをぐっと掴むと
「目立つだろ!!あと私のことはここではAと呼べ!!」
と物凄い剣幕で言うAだったが
ふいに首筋に冷たさを感じた。
「私の部下に何か用があるのか?」
嗚呼、やってしまった。
自分はどうしてこうも運が悪いのだろうか。
そこにはアルクの上司であり尊敬している、あの女海賊ホック様が私の首にフックを当てて立っていた。
Aは冷静を装い視線だけホックに当てた。
彼女は鋭い目つきでAの方を見ている。
しばらく冷たい雰囲気がその場を流れる。
しかしその空気もアルクによって壊された。
「あわわわこの方はですねホック様!!あのハートの女王に使えているヴィランズでして、本日中に趣味の意気投合をして知り合ったのです!!」
アルクはあたふたと汗水流しながらホックに弁解をする。
その様子をみてホックはどうやら納得してくれとようで、Aの首からフットをどかした。
すみませんと声をかけようとした途端、視界からホックが消えた。
ゆっくりと視点を下げるとホックはAの手を取りキスをしていた。
「これは、大変失礼した。この様な美しい方がヴィランズでないはずが無いというのに。疑ってしまってすまない。」
そうしてホックはもう一度Aの手にキスをした。
自分はどうしてこうもリクルーティングを行うような人物達と遭遇しやすいのか。
ホックとアルクが立ち去ったあとぼーっとパーティーの様子を眺めながら考えるAであった。
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MM - 続きが楽しみです! (2016年1月5日 16時) (レス) id: 694d47d3ce (このIDを非表示/違反報告)
アラナ - 話が凄く面白く、長編小説を読んでいるような満足感が1話1話にあって楽しいです。応援しております。 (2015年12月23日 16時) (レス) id: 8e50e677e7 (このIDを非表示/違反報告)
みほ - きゃー//ジャック格好よすぎです!続きが気になる木です!← (2015年12月12日 0時) (レス) id: 1c82bb1eb5 (このIDを非表示/違反報告)
カトレア - 話の続きとっても気になります! この作品はとても面白いです♪更新頑張ってください! (2015年12月10日 7時) (レス) id: 14baab2ba3 (このIDを非表示/違反報告)
ココナ - ジャックハート様大好きなのでとても楽しみです!続きも頑張ってください(^O^☆♪ (2015年10月29日 21時) (レス) id: f3f3cd5972 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:中原仁 | 作成日時:2015年10月18日 18時