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ちょっと番外編〜すべては君のため〜 ページ32

「エリスちゃん」

「A」

エリスちゃんがこちらに駆けてくる。
…首領が若干涙目だが気にしない。

「お花見、楽しんでくれた?」

「うん」

エリスちゃんを俺は抱き上げる。
幻で作り出された桜とはいえ、俺はこうやってお花見ができたことに感謝している。


「A、また来年もお花見しよう」

「…そうだね」

エリスちゃんからの提案に俺は素直にうなずくのに躊躇する。
来年の俺はどうなってるかなんて全く予想ができないのだ。

「でも、またエリスちゃんと何処かに出かけられたらうれしいな」

俺がそう笑うと、彼女もにっこり笑った。

「ほら、そろそろ首領のところに戻ってあげなよ」

中年の号泣する姿はこれ以上見ていられない。
エリスちゃんはいやいや彼のもとに戻っていった。

俺は顔をあげ桜を見る。
すると横にはいつの間にか芥川がいたようで、思わず「うおっ」と声を上げてしまった。

「何だ芥川か…ひぐっちゃんのところに戻ってあげなくていいの?」

「樋口は今買い出しに行っている」

「そう…」

会話が相変わらず続かないため、毎度のように気まずい雰囲気が流れる。
すると珍しく芥川が口を開いた。

「貴様は病に侵されているわけでも命を狙われている訳でも無いだろう。なら、いったい何に脅えている。」

「…さあ、自分でもわかんないや。」

芥川は呆れた表情でこちらを見る。

「何におびえてるのか、自分でもわかんないしこの先俺が生きてるって保証もできないけどさ」

俺は桜の花びらに触れてみる。
もちろん異能で生み出されたものなので触れることはできない。

「…俺はまたみんなで花見がしたいって思うよ」


芥川は俺の言葉に満足したようで太宰さんを探しに去っていった。







…我ながら恥ずかしいセリフを言って気がする。
いや、気にしたら負けだ。
俺は赤くなった頬を隠すようにして、みんなのいる場所へ走っていった。



こうして俺が提案した『お花見大作戦』は幕を閉じた。

真実を見抜く。→←ちょっと番外編〜酒が入ると人も変わる〜



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龍牙(プロフ) - コメント失礼します。すごくおもしろく読ませていただいています!更新頑張ってください!! (2017年9月3日 12時) (レス) id: 1df1f4fa1e (このIDを非表示/違反報告)
中原玲美(プロフ) - とっても、面白いです!更新、頑張って下さい! (2017年6月7日 0時) (レス) id: 94d50e8693 (このIDを非表示/違反報告)
霧雨 君枝 @ヘタリア 終セラ愛してるぅ←(プロフ) - うおおおおおおお!!めっちゃ気になるところで終わった!?続き気になります!お待ちしてます! (2017年4月16日 1時) (レス) id: 976ee58899 (このIDを非表示/違反報告)
blanc - お花見大作戦?え、めっちゃ気になる(真顔)←内容とか滅茶苦茶面白いです!更新頑張って下さい!(^^) (2017年3月31日 22時) (レス) id: 32d25253d2 (このIDを非表示/違反報告)
中原 炉騎(Roki) - 凄く面白い内容です!俺の場合、現在ミコトと言われているもう一人の人格の名前も変換できればなーと…|ω・`チラッ すいません!めんどかったらいいんです!!ただ変換出来たら嬉しいというだけです!面白い作品ですね!更新待ってます!! (2016年12月1日 2時) (レス) id: 12c7662c78 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まめかす。 | 作成日時:2016年9月27日 23時

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