【文豪ストレイドッグス】俺自身には価値なんてない。【男主】

ヒントをあげよう。 ページ22

味も特に変わったことはなく、食事を終えた俺はまた先ほどとは違う部屋にいた。

どうやら俺は此処で本格的に此処で生活させられるようで、風呂とトイレとベッド。
あとは読めない本がぎっきり詰まった本棚とお飾りの暖炉だけがその部屋にあった。

島崎は、一体何が目的なのだろうか。
料理も至って普通だったし衣住食完璧と言っていい。
むしろ快適すぎて怖いぐらいだ。

俺は暫く、島崎の動機について考えていたが腹も膨れたことで次第に眠気がやってきて意識を失うように眠った。







中也は一人、会議室の椅子に座り考えていた。
Aが攫われ数時間が経過した、首領も「エリスちゃんの借りがあるから」と比較的協力的に捜索手配にあたってくれているが、未だにその成果はない。

時刻は早朝を迎えていた。

煙草でも吸って落ち着くか、そう思い席を立ち外へと向かった。


煙草を吸い終わり、ある程度頭が冴えてきた中也は再び会議室へと戻った。
しかし、そこには見覚えのない白い封筒が一枚机に載せられていた。

「何だ？」

封筒を手に取り、ビリッと中身を確認してみる。
中には一枚の写真が入っていた。


「！！」

その写真には高層ビルから見た夜景をバックに、シンクの絨毯の上に置かれた椅子に縛られ
目隠しをされたAの写真だった。

「チッ…此れがヒントって事かよ」

中也は急いでパソコンを立ち上げる、この横浜内でこれ程の夜景が見れる高さのビルを探すためだ。

彼の拳は、焦りと怒りで強く握り締められていた。

見つからない。→←食堂にてディナーを

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す