【文豪ストレイドッグス】俺自身には価値なんてない。【男主】

いつものように四日目 ページ17

目覚めたらポートマフィアに提供されているいつもの部屋だった。

ココ最近、ずっとミコトだったのか数日の記憶が全くと言っていいほどない。

ただ、唯一覚えているのは…


『踏み込まないで…』

ミコトの声が聞こえたことぐらいだろう。
俺はあれで目覚めて今ここにいる。

二つの全く違うふたりが共有する体は、今日もいつものとおり忙しなく動いてくれる。

俺は起き上がるとエリスちゃんとの一週間約束を思い出し、少し憂鬱になったが今日も部屋の前に用意された女物の服に腕を通した。

壁にかけられたカレンダーには三つのバツがついていた。





「おはようございます」

いつものように拠点のビルに足を運ぶと何やら人が少ない気がした。
そしてやけに忙しそうだ。

「えっと…中原さんは何処に…」

その時背中から強い衝撃を受け、思わずよろけた。
真逆、敵襲…っ！！！？

そう思いバッと振り返る。
しかしそこに人の姿はなく、ただ腰に回された手は一向に離れそうにない。

「エリス…ちゃん…」

「…。」

無言で強く抱きしめられる。
俺は腰に回った小さな手に自らの手を重ねた。

「エリスちゃ」

「心配した。」

その一言しか、彼女は言わなかったがひしひしと気持ちは伝わってきた。
俺はエリスちゃんに向き合い強く抱きしめた。

「ごめん、心配かけて」

「うん」


もう、こんなことがないようにしないと。
俺はその足で首領の元へ足を向かわせた。

首領と御褒美→←帰るんだ。

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