バンタンの93line-紳士なヒョンとの日常-4

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「よう」



案の定、眠ろうとしてるヒョナに声をかける。



SH「ずるい」

「思ったこと言っただけ」

SH「何しに来たの」

「俺の作業室なんだが？」

SH「帰る」

「待て待て待て」



出て行こうとする肩を掴めば、まだ首元まで赤いのに気付く。



「悪かったって。寝るなら寝てていいから」

SH「ん」



もぞもぞと戻り、俺の上着を毛布代わりにかけ直す。



SH「僕の顔、整ってる？」



なんでわざわざ追い討ちをかけられに来るんだ。



「あぁ」

SH「人間じゃない？」

「は？」



振り返っても、背中は何も語ってくれない。



SH「僕の顔、そんなに人間離れしてる？」



あぁ、そういえばこの前テヒョナが自慢げにヒョナの新しいあだ名を話してたな。



SH「自分の顔が分からない」



韓国に来たことで、異国人扱いされ、その顔に対してのいじめを受けた。

それが今では、皮肉にも、羨望の眼差しに変わった。



SH「鏡が、怖い、、、」



弱々しく発せられたのは、あの時と同じ言葉。

きっとあの時と同じ様に、その綺麗な顔を歪ませている。



SH「窓ガラスも、カメラも、人の目も、僕が映るもの全部、嫌、、、」



数分前の自分を殴ってやりたい。

なんで気づけなかったと後悔した。



「ヒョナ」

SH「や」



体をこっちに向けさせるも、目を合わせてはくれない。



「俺が円陣の時どこ向くか知ってるだろ」



メンバーが顔を見合わす中、手だけ出して他を向く。

大体ヒョナの襟足見てるな。

顔なんて、気恥ずかしくて見てられないって。

手だけで十分、分かるんだし。



「無理に見なくて良い」



ヒョナの前にしゃがみ込んで、顔の横の空間を見つめる。



「俺もそうしてる」

SH「カメラは？」

「フレーム見てる」

SH「初めて知った」

「初めて言った」

SH「初めて、、、」



その言葉に喜ぶのも、俺の時だけ。



「そ。俺の初めて」



また少し頬を染めて、柔らかく笑う。

やっぱりこいつは、笑ってる方が良い。

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