バンタンの93line-紳士なヒョンとの日常-10

182休暇　ナムジュンside ページ2

「」→韓国語
『』→英語
______________________

久しぶりのスヒョニヒョンの祖国イギリスの土地。

憧れのロンドンに降り立った。

世界的にも有名なナショナル・ギャラリーは美術館巡りが趣味の僕には魅力的な場所だ。



SH『写真撮ろうか？』

『ぜひ！お願いします！』



興奮を抑えきれない僕を見てクスクスと笑いながらカメラを向けてくれる。

マンネ仕込みの写真の撮り方はヒョンらしさ全開の上質な仕上がり。

これから見る作品たちの中に紛れてもおかしくないレベルだ。



『ありがとうございます！』

SH『いいえ』

『ヒョンも撮りましょう』

SH『僕？』

『はい。あそこ立ってください』

SH『えー、、、』



カメラが苦手でセルカも1人で撮ることは少なかったスヒョニヒョン。

そんなヒョンのピン写真が増えていくのが嬉しい。



SH『じゃあ行こうか』



手を取って引いてくれるヒョンに着いて行こうとして足を止める。



『ヒョン、こっちです』

SH『あれ』



方向音痴はどこに行っても健在で、例え馴染みの土地であっても変わらないらしい。



SH『これは失礼』

『はは、行きましょう』



スマートなのにどこか抜けていて面白い。

愛される一面はここにあるな、と1人納得しながら手を引いた。

頭上を飛び交う言葉も自分から発せられる言葉も英語なのはもう気にならない。

スヒョニヒョンといる時は大抵の会話が英語だから弟たちには怒られる。

2人だけの特別感を味わえる唯一の時間なのだ。

譲る訳には行かない。



『わぁ、、、』



足を踏み入れたのは天井が高く開放的な空間。

いくつもの絵が掛けられていて、目を奪われる。

名の知れた作品がズラリと並ぶ。

かの有名なゴッホのひまわりには人だかりができている。

見応えのある充実した時間を過ごせた。



SH『気に入った？』

『もちろんです！』

SH『それは良かった。お腹空かない？』

『言われてみれば』



お昼時で周りにはサンドイッチやホットドッグを片手に歩く人がちらほら。



SH『マーケットに行こうか。お土産も買えるよ』

『ぜひ！』

SH『こっちかな』

『あっちですね』

SH『ははは』



標識に案内されて進めば、観光客で溢れかえるコヴェント・ガーデンというマーケットに着く。

ハンドメイドのアクセサリーなどの露店が立ち並び、足を止めずにはいられない風景が広がる。

.→←181Twitter

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す