佐久間くん (ページ46)

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14 ママとパパページ46

You side

休日家でゆっくりしていると突然家のインターホンが鳴る
「はーい｣とドアをかけると宅急便のお兄さんが
荷物を受け取り宛名を見ると実家からのものだった

リビングに戻り中を開けると私の好きな物が沢山詰まっていて温かい気持ちになる

お礼の電話をしなくては、と久しぶりに実家に電話をかける

《もしもし》
「もしもし？ママ？」
《A？どうしたの？》
「送ってくれたの届いたよ、ありがとう」
《わあもう届いたの？良かった、Aが好きなのいっぱい入れておいたのわかった？》
「ふふっ、うん」

わたしのママはとっても優しくて見た目もだけど心が若い人
小さい頃から「Aちゃんのママ綺麗でいいな！」と言われてきたくらいだ。とってもとっても自慢のママ

《パパがAに会えてないって寂しがってたから近々帰ってきてくれたら嬉しいな》
「ごめんね、帰れるように頑張ってみる」
《でもAのことが1番大事なのはパパもママも一緒だから無理しないでね》
「ありがとう」

ずっと昔から仲良しのママとパパ
大学入学を機にひとり暮らしをしたいと伝えた時、最初は中々許可をして貰えなかったけどどうにか説得をしたんだ。今では、ふたりでの生活を楽しんでいるらしい。

《そういえばパパがね》
「ん？」
《佐久間くん、映画決まったでしょう？》
「知ってるの？」
《もちろん。すごいなあって褒めてたよ》
「ふふっ、嬉しいなあ。大ちゃんに伝えておくね」
《いつかママたちにも会わせてね》
「うん、ちゃんと紹介する」
《そうしたら身体に気をつけて頑張ってね》
「ママもね、またね」
《はーい、またね》

ママもパパも大ちゃんのことを知っている。
わたしの実家が地方で、大ちゃんをそちらまで連れていくことに対して気が引けて実際に会ってもらったことはないけど何度か電話でやりとりをしていて、2人共大ちゃんのことを応援してくれている。

その晩、電話で昼間のことを伝えると「えー！まじぃ？」と嬉しそうに笑った

「サクマさんの活躍、Aのお父さんとお母さん知っててくれてんだぁ」
「パパが、褒めてくれてたって」
「超うれしい～、えーサクマさん頑張っちゃお」
「ふふっ、大ちゃんの夢だったもんね」
「うん、あのさ｣
「ん？」
「ちゃんと落ち着いたらAのご両親に挨拶に行ってもいい？」
「もちろん、ママもパパも会いたがってるんだ」

大ちゃんとなら私のパパとママみたいな夫婦になれんじゃないかなって思うんだよ