佐久間くん (ページ5)

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2 彼氏と彼女ページ5

You side

大ちゃんは人気者だ
付き合いだした頃、人気はあったもののjr.という立ち位置からかテレビでの露出は多いわけでは無かった
だけど、2020年にやっと報われてデビューしてからグループの勢いはものすごくてあらゆる場所で見かけるようになった

こんな凄い人の彼女なんだ、と鼻が高くなる反面
わたしなんかが彼女でいいのかな…なんて思ったりする

思い出せA、1週間ほど前大ちゃんに会った時
「だいすきだよ」って言われたばっかりじゃないか
自信を取り戻せなんて言い聞かせてみる

負のループだ

ベッドにひとり、静かな部屋
時計を見ると24時を回った所で私はいったい何をしてるんだろうってズーンと心が重くなる

だめだぞA、泣くな泣くな
負のループに陥ったら何もかもダメになるぞ

そう思えば思うほど嫌になる

大ちゃん何してるかな、電話したら迷惑かな
声聞きたいな会いたいな迷惑かな
色んな事が頭の中をグルグルするけど今日は金曜日だ
なんなら土曜日だ大ちゃんには関係ないけど… 勢いで電話してしまえと電話をかける

「はぁい、サクマです」
「大ちゃんごめんね、寝てた？よね」
「いんや、アニメ見てたどうした？」
「声、聞きたくなっちゃって…」
「えー！なにそれ！かわいいー！まってまって、アニメ止める」

電話の向こうでガサガサと音がして、恐らくテレビから聞こえていたであろうかわいい女の子達の声が聞こえなくなる

「Aから電話かけてくれるなんて珍しいからうれしい！」
「なんか寝れなくなっちゃって…、ごめんね」
「なぁんで謝んのさ、サクマさん嬉しいって言ってるでしょ？さては、また余計なこと考えたな？もう！サクマはAちゃんがだいすきだよって何回言ったら伝わるの？」
「ごめんなさい」
「んもう、謝って欲しいわけじゃないんだよ。ただサクマがどんくらいAちゃんのことだいすきがわかって欲しいだけ！｣

恥ずかしー！なんて電話の向こうで照れてる大ちゃんの声を聞くとなんだが安心する