佐久間くん (ページ26)

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7 ダメな日ページ26

You side

今日は1日駄目な日だった
昨日の夜大ちゃんが「明日の仕事終わりに泊まりに行くね｣と言ってくれていたから楽しみにしていたのに何をしても今日は失敗ばかりで駄目な日だった

せっかく会えるのにな…と気持ちが沈む

気持ちの切り替えを上手く出来ればいいものの私はそんな器用なタイプじゃない

先輩にいっぱい迷惑をかけてしまった

気持ちが沈んだまま定時になる

やだな、こんな気持ちのまま大ちゃんに会うのか

「ただいま～」

玄関を開けるとまだ部屋は真っ暗だった

何もする気が起きなくてスーツも脱がずにソファの上に倒れ込む

気付いたらわたしは寝ていたようでゆさゆさと揺られ、時折「A」と呼ばれる声で目を開けると大好きな彼氏の姿

「大ちゃん…、おかえり」
「ただいま！…疲れちゃった？どうした？」
「大丈夫だよ、疲れて寝ちゃった(笑)」

大ちゃんに迷惑をかけちゃいけない

毎日毎日もう少しで始まる舞台の為に頑張っているんだから
ただでさえ疲れているというのにこうして家に泊まりに来てくれている。ここでわたしが泣いてさらに疲れさせるなんて絶対にやっちゃ駄目だ

「ほんと？」
「ほんとほんと、ごめんね」
「ならいいけどぉ、なんかあったらすぐ言うんだからね」
「うん、ありがとう……ね、疲れて寝ちゃっててまだご飯とか準備出来てないから先お風呂入ってきてもらってもいい？」
「いいけど…ほんとに大丈夫？」
「心配性だなあ(笑)大丈夫だよ、大ちゃん疲れてるんだから早く休んで」
「う～ん、そしたらお風呂先入れてもらっちゃおうかな」
「ご飯作って待ってるね」

納得しきってない大ちゃんだったけどなんとかお風呂場に押し込むことが出来た

頭の中では今日先輩に迷惑かけたことがぐるぐるする

やだな、もう…なんもしたくない……

大ちゃんの姿が見えなくなった瞬間、気が抜けたのか涙が止まらなくなる