佐久間くん (ページ17)

今日:14 hit、昨日:5 hit、合計:130,057 hit

. ページ17

.

「あ、改めまして佐久間大介です」
「生田 Aです、昨日は大変ご迷惑おかけしました」
「んもう、それは良いって…無事に帰れたならよかったよ」

運ばれてきたお酒を前に改めて自己紹介をする
さくまだいすけって言うんだ…

「んね、Aちゃんはあんま芸能人とか興味無い？」
「げ、芸能人ですか？あんまりテレビとか見なくて…」
「いや、そっちのが有難いかも」

急に名前で呼ばれるから少し動揺する
男の人から名前を呼ばれたことなんて多分家族以外ない
生まれてからずっと女子校育ちの私は世間的に見たら箱入り娘っていうやつなんだと思う

「サクマねえ、ジャニーズなんだけど…」
「……ジャニーズ？」
「あ、ジャニーズは知ってる？」
「し、知ってるに決まってじゃないですか！」

不安そうな目がゆらゆら揺れる

ジャニーズって、あの有名な事務所じゃないか
え、目の前にいるのがジャニーズなの？

「え、ま、え…」
「んははっ、大丈夫大丈夫…そぉんな分かりやすく動揺されると面白いね(笑)」
「私なんかといて大丈夫ですか？しゅ、週刊誌とか…」
「そんなことAちゃんが気にしなくっていいんだよ」
「で、でも…」

「サクマね、ジャニーズ続けるか迷ってんだよねえ…
って、そんなこと会って2回目の人に言われても困るよね」

無理に笑う彼が何だか苦しそうだった
「そんな事ないです、私でよければお話聞きます」と気付けば口走っていた

「でも、どうしてそんな…」
「サクマさんね、今20代半ばなんだけどデビューしてないしグループには入れてるけどなんかもうよく分かんなくなっちゃって」

そこから彼は所謂一般のお友達たちは会社でもそこそこのポディションに付く人や家庭、子供を持つ人が増えてきてこのままでいいのか…と悩んでいることを話してくれた

「わたしは、かっこいいと思います…デビュー出来なくてもそうやって毎日一生懸命活動して、一生懸命じゃなかったらそんなに考えることもないだろうし
……だからさくまさんはすっごくかっこいいです、もし仮にデビュー出来なかったとしてもさくまさんがそのゴールに向かって頑張ったことは物凄い財産になると思います」

と言い切る