佐久間くん (ページ1)

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1 甘やかしたいページ1

You side

疲れた。疲れた疲れた疲れた。
生田A 23歳社会人2年目
週の真ん中水曜日。くったくたの身体を引きづるように
自宅に帰るとリビングのドアから光が漏れていて

ああ、来てくれてるんだってそれだけで泣きそうになる

「ただいま」とリビングに入ると上半身裸にエプロンという
なんともまあ奇抜な姿で出迎えてくれる彼氏

｢おかえり～！！今サクマ特性ピーマンの肉詰め作ってるから
もう少し夜ご飯待っててね」
「大ちゃん来てくれてたんだ、わぁ～夜ご飯もありがとう」

夜ご飯はデリバリーを頼めばいいかなと思ってたのに
優秀なわたしの彼氏様はご飯を作ってくれていたらしい

「部屋着に着替えてきちゃうね」
「あ、もしあれだったらお風呂沸かしてあるから入ってきちゃっていいよ！Aちゃん疲れてんだろうなぁ、と思って勝手に沸かしちったごめんね｣

何をやっても上手くいかず先輩たちに迷惑をかけてメンタルズタボロな私にご飯もお風呂も提供してくれる出来すぎた彼氏に思わず涙が出そうになるけどグッと堪える

「ありがとう…、そしたらお風呂済ませてきちゃおうかな」

泣くならお風呂場にしよう
大ちゃんにまで迷惑はかけられないとそそくさとリビングをあとにしようとした

「Aちゃん、ちょっとまって」
「ん？なに？」
「いいからちょっとこっちきて」

私を呼び止めた大ちゃんは作業していた手をを止めてササッとエプロンで手を拭いて「いい子いい子Aちゃんはいい子」って頭を撫でてくれる

「大ちゃん？どうしたの？」
「ん～？Aが頑張ってるからいい子いい子してあげよー！と思って！サクマさんはちゃんと分かってるんだからな～って教えてあげてるの」

わたしより年上でわたしより少しだけ大きい背
なんでも先回りして私をとびきり甘やかしてくれる
大好きな彼氏なんだ