*secret recipe*６ (ページ10)

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243ちょい待ち！！　　ＹＯＵページ10

翔『来週、なんて言わないでタイミングが合えばいつでも、なんだけど。笑』

A 『・・・』

翔『あ、気負わないで考えてよ？笑・・・俺もそんなに進んで恋愛を楽しむタイプじゃないからさ。』

A 『うん・・・』

翔『こういう言い方すると語弊が出るけどさ、俺的には「今日の飯、どこで食おうかな、あ、じゃあAん家で食おう」位のスタンスで行くからさ。Aも深く考えないで？笑』

翔くんはこう言って私の負担を減らしてくれて。
だから私も甘えていないできちんと伝えないとな、ってなって。

A 『うん、わかりました。・・・じゃあ・・・』

翔『うん？』

A 『クレープの試作を食べてほしいから・・・会えますか？』

そう思い切って言ったら、翔くんはわかってたみたいに笑って。

翔『うん。笑・・・いつくらい？』

A 『えっと・・・智くんが食べる前がいいと思うから・・・』

って頭の中に出てきた予定を言っただけなのに急に顔色を変えて。

翔『ちょい待ち！！・・・智くん？』

A 『うん。食いたい、って連絡来てたから・・・』

翔『それ！いつ？』

A 『え？皆でＮＹ行く前がいい、って言ってたから・・・』

翔『はっ？・・・なら今日！！今日遅くなってでも来るから！！』

A 『え、今日？わかりましたけど・・・』

翔『で、食べたらウチに連れてくから泊まりの準備もしとくこと！！』

A 『はい・・・』

翔『よし！・・・あ！もう７時じゃん。じゃあ俺、行くわ！』

って一気にバタバタし始めて、あっという間に玄関に向かった翔くん。

翔『じゃあ、夜ね。』

A 『うん。』

って手を振ろうとしたらその手を拙まれて。
昨日のように一瞬で翔くんの胸の中に埋まってて。
翔くんは私の右耳に口を寄せて。

『好きだよ』

っていつかのようにあの甘くて低い声で言ってから。

翔『ハズっ！笑・・・じゃあね。』

って風のように出て行った。

A 『・・・』

石のように固まってしばらくはその場から動けなかったけど。
外から聞こえる自転車のベルの音で我に返って。

慌てて洗面所に駆け込んで。

案の定、顔は真っ赤で。

火照った顔を手で仰いだら耳にはいつも付いてる星のピアスじゃなくて。

見たことのないサクラの花びらのピアスに変わってた。