*secret recipe*６ (ページ48)

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secret Christmas25 ページ48

A 『こんばんは、どうぞ？』

外はもうすでにクリスマス、ではなく年末の装いになってて。
仕事はいつもに比べれば格段に忙しいけど休みがないだけで早く終わる日もあるわけで。

そんな今日。

Aと時間が合うのでAの運転で噂の『ニューヨーク』に行くことになった。

A 『こうくんのお店の名前なんですよ？』

あの日、ニューヨークの正体をそう聞いた俺だけどあんまり意味が掴めず今日まできてて。

そんな事を思い出しながら車に乗ること１時間。

A 『はい、どうぞ？』

車から降りて木製なのに重いドアを開くと。

まるで今大阪で人気のあの魔法学校のような雰囲気のエントランス。

廊下の先には螺旋階段。

壁にはキャンドルのような照明。

呆気に取られてると。
隣でAが笑ってて。

A 『ニューヨークへようこそ！もう閉店してるから大丈夫ですよ？』

そう言って俺の手を取りゆっくり歩き始めた。

A 『５年前にこうくんがここを買い取ってケーキ屋さんにしたんです。』

雰囲気が合わないですけどね。なんていう説明を聞いて螺旋階段の前で止まって。

A 『目、瞑って？』

そう言われた通りに目を瞑ると。

周りが急に暖かい空気に包まれて。

A 『開いていいよ？上向いて見てみて？』

そう言われて目を開くとそこには。

螺旋階段に沿ってイルミネーションがしてあって。
まるで大きなクリスマスツリーのようになっていた。

A 『クリスマス、って感じでしょ？過ぎちゃいましたけどね。笑』

なんていたずらっ子の顔で笑ってるAがいて。

俺はAの手を取って。

翔『では、姫？上に行きましょうか？笑』

そう言って螺旋階段をゆっくり登った。

甘い匂いに包まれた２階は誰もいなくて、Aは『こうくんには伝えてあるから大丈夫！』ってことでレジの向かいにあるソファに二人並んで座ってイルミネーションを楽しむ。

A 『クリスマスシーズンのここはホントに幻想的でお気に入りなんです。去年は来れなかったからさやかと行きたいね、って話してて。』

あぁ、俺はそれを勘違いしたのか。

翔『俺がきちんと話を聞けばよかったな。ごめんな？』

A 『いえいえ！私が言わないのが悪いんですから！そんな顔しないでください！』

って二人して謝ってるのがなんだか可笑しくて。

二人で顔を見合せて大笑いした。

今ならプレゼント、受け取ってもらえるかな。