*secret recipe*６ (ページ5)

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239半分　　ＳＨＯページ5

A 『本当に泊まるんですか？』

着替えて来ます、と言ってからすぐにラフな部屋着で戻ってきたAちゃん。

翔『本気だからこの荷物なんでしょ？笑』

ってパンパンに詰まったリュックを見せると。

A 『・・・じゃあ、何かつまむもの作っておきますからお風呂、どうぞ？』

って、呆れたように言うから。

翔『いや、Aちゃんが本当にイヤなら帰るよ？』

ってソファから立ち上がったら。

A 『イヤ、ではないです。けど・・・。』

翔『ん？』

A『もっと部屋がキレイな時に来てほしかったです。』

って少しだけ頬っぺを膨らませたように拗ねてるAちゃんは。

本当に可愛くて。

だから。

半分冗談で。
半分本気で。

翔『なら、今度はきちんと来るからカギくれる？』

って言ったら。

A 『あ～、そうですね。・・・地球儀の中にスペアがあったはず・・・』

って。

パタパタと玄関に向かっちゃって。

で。

A 『やっぱりありました！笑』

ってスペアキーを片手にすぐに戻ってきて。

A 『はい、どうぞ？』

って何の迷いもなく渡すから。

翔『え、いいの？』

A 『ん？何がですか？』

翔『カギ・・・』

A 『え？冗談だったんですか？』

翔『いや、半分・・・』

A 『返してもらってもいいですけどね？』

そう優しく笑うとキッチンに向かっちゃって。

慌てて追いかけると。

A 『・・・もう、すれ違ったりするのはイヤ、なんです。』

そうポツリと言うから。

そっと後ろから抱きしめて。

翔『・・・うん。』

A 『私の家のカギがあればいつでも来れるでしょ？・・・だから、どうぞ？』

って言って俺の目を見たAちゃんは。

少しだけ。

少しだけ、不安な目の色をしていて。

だから。

翔『いつでも、って毎日でも？笑』

って。

冗談を言いながら。

Aちゃんの目の前でキーケースにしっかりとカギを取り付けた。