*secret recipe*６ (ページ39)

今日:25 hit、昨日:0 hit、合計:32,747 hit

secret Christmas16 ページ39

慶『何で俺に聞くワケ？話されなくても信じろ！とは言わないけどさ。・・・他の人に聞いてる方が傷つくんじゃないの？』

あ。

俺、一番しなきゃいけないことをしてなかった。

距離をおいたり、別れたりする前に。

きちんと話す『時間』が必要だったんだ。

それはお互いがどんなに忙しくても。

そんな俺の表情を見て悟ったのか、慶くんは。

慶『ま？どっちにしろ来週末会うんだから直接聞いてみたら？』

翔『え？来週末の用事、って・・・』

慶『そうそう、結婚パーティー。行くでしょ？笑』

俺がお迎えに行くからお利口さんにしててね。

とか言って笑ってたけど。

翔『え、Aも来るの？』

慶『あ、マジで何も聞いてないわけ？笑・・・新婦側のゲストだから。Aは翔くんが来るって知ってるけどね。』

大野『じゃあ、サプライズしたかったんだな。』

智くんはそう言って笑ってて。

一瞬ポカンとしたけども。

慶『は？・・・あ、そーゆー事？なるほど。』

慶くんは勝手に解決させてて。

慶『ま、だとしてもAが悪いな。笑』

ってまた最初に戻って。

何だかここまでAが悪い、なんて言われてるとちょっとムッとするわけで。

で、その顔も慶くんにはお見通しで。

グラスを傾けながら。

慶『Aがまだ好きなんだろ？』

なんて言われたら。

悔しいけども。

非常に非情に悔しいけども。

翔『そう。・・・大好きなんだよ。』

って本音が。

意外にもポロっと出た。

その言葉を聞いた慶くんは満足したように笑ってから。

慶『じゃあ、いい子は帰って寝なさい。笑』

って何故か追い出され。

大野『お休み、翔くん。』

って誘った本人まで俺を追い帰し。

俺は意味がわからないまま帰された。

家に帰っても腑に落ちないままだったけど。

ああやってわざわざあの場所に来てくれた、ってことは少なくとも慶くんは俺がAを手放す事に反対な訳で。

それがわかったってだけで自信、ってやつはつくもので。

そしたら。

Aが戻ってきてくれたら。

どっちを渡そうか悩んでたものは簡単に決まる訳で。

その日を迎えるまでなんていうのはあっという間だった。