*secret recipe*６ (ページ4)

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238イヤミ　　ＳＨＯページ4

A 『入る前に言っておきますけど・・・』

翔『わかってるって！片付いてない、とか散らかってる、とか言いたいんでしょ？でもさぁ、俺からするとそれ、イヤミかと思うから。笑』

A 『え？・・・あぁ、確かに翔くんの家は片付いてはいないですけど。笑・・・あれ、なんとなく、ルールがありますよね？』

翔『そうっ!!わかってくれんの？いや～！』

A 『いや、なんとなく、ですよ？どんなルールかはわからないので・・・今日は大慌てだったから本当に散らかり気味なんですよ？どうぞ？』

こんな会話をエレベーターの中でコソコソ話しながら案内されたAちゃんち。

最初は自宅という名前の職場。
次は仮で住んでたアメリカのホテル。

だから本当の自宅に入るのは初めてで。

翔『お邪魔しま～す・・・』

そう言って玄関に上がると。

そこには今履いてた靴を合わせて３足。
靴箱の上には地球儀の形をした小物入れが置かれていて。
Aちゃんは慣れた手つきでそこにカギを入れて足を進めた。

廊下にはドアが３つ。

A 『狭い所ですが・・・』

と言われながら一番奥のドアに手をかけて。

開けた先を見ると。

大きなテレビと真っ黒なソファ。

その間には黒いラグと同じ色のローテーブル。

A 『あ、そっか。この部屋は散らかってなかった！』

よかった～、って言ってるけど、さ。

翔『Aちゃん、さ・・・？』

A 『はい？あ、イメージと違う部屋、って言いたいですか？』

翔『う、うん。何か・・・もっと・・・』

A 『もっと明るい色が好きかと思った、でしょ？』

何でかよくそう言われるんですけどね、って苦笑いしながらクラッチバッグをソファの上にポン、と置いて。

A 『家具は黒が多いんですよ。小物は黒は買わないですけどね。』

そう言われて見渡すと確かに。

ソファの上のクッションは赤とオレンジだし。

テレビの奥に立っているスタンドライトはヨーロッパで売ってそうなカラフルな水玉だし。

３脚あるカウンターチェアは木の脚にそれぞれ黄緑、ピンク、黄色だし。

きっとどれも悩んで、そして気に入ったものだけを集めたものなんだろう、って思った。