*secret recipe*６ (ページ26)

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secret Christmas3 ページ26

A 『え？移動、ですか？』

そう突然言われたのは翔くんがハワイに行く少し前。

移動とは言っても期間限定で。

返事を考えているとSkypeでキースから連絡が来て、事の顛末を相談すると。

キース『あ～、それ、俺がAにしたら？って推薦したんだ。』

何て答えが返ってきて。

A 『何で私を推薦したのっ？』

って怒り気味に言うと。

キース『一番違和感なく、且つ、期間限定でも先方に受け入れられやすい人を日本支社で考えたらAしかいなかったから。』

ってまるでテストの答案のように淡々と話してて。
危うく、『それもそっか』なんて返事をしかけたけど。

A 『いやいや、期間限定なんて聞いたことがないんだけど。・・・だってさ、・・・仮にも秘書課、だよ？』

そう。

期間限定だけど移動するその先は秘書課、で。

まぁ、元々日本支社には研究施設以外では50人くらいの人しかいないから候補に上がるのはなんとなくわかるけど。

キース『言わんとすることもわかるけどな。笑・・・だけどまずその規模で秘書課があるのもスゴいし、色々重なったんだから仕方ないだろ？』

それももっともな意見で。

元々秘書課は3人で。

支店長と部長4人の計5人に着いてて。

1人は今年度いっぱいお子さんの関係で短時間で働いていて。

もう1人は支店長と部長たちの出張担当だから会社にいるのが月に数日しかなくて。

そして。

最後の砦の1人、坂本さんは。

遅めにやっととれた夏休みの旅行先で羽を伸ばし過ぎてどこかから落ちて。

なんと、両足を骨折したみたい。

年内で退院は出来るけどリハビリもあるからきちんと復帰出来るのはやっぱり来年度からだろう、ということで。

私が秘書課に移動になったんだけど。

キースにそう言われて落ち着いて考えれば確かに私が一番適任で。

各部長が出るような会議や打ち合わせ、パーティーには大抵私も部下として出ているし。

だからなんとなく支店長と部長たち全員のスケジュールは分かるし。

そこまで理解してしまったら。

A 『・・・絶対に今年度限りだからね。』

そう言って引き受けるしかなかった。