【ツイステ】【リレー小説】足りない高校生達の異世界旅行【本編】 (ページ15)

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＊《マリー・クロー》ページ15

ふ、と意識が浮上する。
どうやら、夢―いや、走馬灯を見ているらしい。
その走馬灯ではお母さんが笑いながら、誕生日のごちそうを用意してくれている。
その様子を見て、思い出す。

あぁ、一昨日は、誕生日だった。

久しぶりにお母さんと一緒に食事をとることができて、表現できないほどに嬉しくて嬉しくて...泣きかけたのだ。
一昨日の事だというのに懐かしい、と目を細めて微笑んだ―――瞬間、霞のように消えてなくなった。

「あ...」

名残惜しくて手を伸ばしかけるが終着など意味がないものだと理解しているから、固く拳を握って俯き耐える。
床を睨んでいれば、声が聞こえてきたため、不思議に思い視線を移せば人影がある。
駆け寄って話しかけようとしたところで、ダレカがそこにいた。

人影じゃない、ダレカ。
ダレカ―彼女は笑う。

「まぁまぁ！話ちゃんと聞いてよ！私は天照桜。日本を見守る神様だよ！」

神？
その単語がどうもわからなくて首をかしげる。
...いや、違う。どういう単語かはわかっている。
だけど、その言葉を発している彼女を理解できなかったのだ。
天照と言えば、天照大御神の事だと思うが目の前にいる存在が太陽と呼ばれるような神の事だと思いたくはなかった。
考え続ける俺をあざ笑うかのように理解できない言葉を彼女は紡いでいく。
その声にどうしてか嫌悪感が湧いてきてしまう。

「君たちには～」

それから少し彼女はためて――。

「＿＿異世界に行って貰いま～す！」」

そう言ったのだ。

「...はぁ！？」

つい、大きな声がこぼれた。
慌てて口を押えたが周囲も似たような反応をしていたことに少し安堵の色が強い息を吐いた。