好きなのに ページ1
耳郎目線
ウチは葉隠透が好きだ。
いつからなんてもうわかんないけど、この想いを伝える気はない。あの子の、透の将来を、ウチが奪っちゃいけないから。
でも本当は、今の関係を壊したくないっていうのが本音。それと共に、引かれたくないっていう事。
そうやって今まで気付かれないように頑張ってたのに。
「響香ちゃん、好きだよ。」
今ウチは自分の部屋で透に倒されてる状態。
上には透が馬乗りになっている。
「ウチも好きだよ?」
最初は友達としてだと思ってた。
透がウチのことを好きだなんてそうとしか考えられないから。
「違うの。友達としてじゃなくて…恋愛感情で好きなの。」
「へ?」
それを聞いて、嬉しかった。それと共に、悲しくなった。ウチなんかを好きになってしまった。透は、ちゃんと男の人と素敵な人生を送れるのに。その未来を、子供に恵まれる未来を、ウチが邪魔をしたらいけないと思った。ウチといるより、絶対に幸せなのはわかってるから。
「ごめん、気持ちには応えられない。」
「私のこと、これっぽちも好きじゃない?」
「ごめん」
小さい声で謝ると、「そっか」とそれよりも小さな声で言って、「もう帰るね。ごめんね、響香ちゃん。」と言って部屋から出て行った。
出て行った後、ウチは泣いた。
悲しかった。これでもう、普通に接する事が出来なくなってしまった。
友達の関係が、壊れてしまった。
それから卒業までの3年間、ついにウチらが話すことはなかった。
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雷 - ルール嫁さん、かなとさん、教えてくださりありがとうございます!直しておきましたが、まだ違反のところがあれば教えてくださると幸いです。 (2019年6月29日 20時) (レス) id: 31ab448c72 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 編集画面の関連キーワード入力の下をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年6月29日 18時) (レス) id: cc384a4978 (このIDを非表示/違反報告)
ルール嫁 - オリフラ (2019年6月29日 18時) (レス) id: fd88cf8001 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雷(ライ) | 作成日時:2019年6月29日 18時