【ジョジョ】短編集

月の涙/ディオ ページ27

しくしくしく。


私は悲しくて泣いた。

だって、ディオお兄様に嫌われてしまったの。


私が最近、ジョナサンとばかり仲良くしていたから。
だからディオお兄様は私のことを怒ったの。

いつもは温かい手のひらで私の頬を叩いたの。


痛かったけど、ディオお兄様の悲しみと怒りが伝わってきて、泣くしかなかったわ。


このまま三日三晩泣いて枯れて死ぬわ。
そうね、そうしましょう。


でもね、ガチャリと扉が開いたの。

この足音はお兄様。

「A…さっきはすまなかったな……ついカッとなったんだ。」

そう言って私を優しく抱きしめる。

ああ、優しくされると余計に泣いてしまう。


『ううん、私が悪かったの、、ごめんなさい、ごめんなさい、、、だからずっと一緒にいて………』


「ああ…もちろんだよ。オレの愛しいA…」


ディオお兄様は私に優しくキスを落とす。


所詮私は籠の中の鳥。お兄様だけの鳥。

ジョナサンだって私の心には触れられない。


私は全て分かっていても、ディオお兄様の味方よ。


その晩の月は私を嘲笑うかの様に差し、対照的にお兄様をより輝かせるかのように差した。


嗚呼、やはり、私とお兄様では薔薇と雑草くらい差がありすぎる。


天はなんと残酷なのでしょうか。



私とお兄様を双子でこの世に産み落とした天は、嗚呼なんて、



(なんて、酷いのかしら。)

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