【ジョジョ】短編集

ただ眠い/ディエゴ ページ25

教会の鐘が鳴り響き、恋人達は晴れて夫婦となる。

そう、結婚。


元カレである彼に呼ばれた、結婚式。


嗚呼、嫁さんの肩を抱いてこちらをチラチラと見てくるその目を潰したい。


私もなぜ来てしまったのだろう。


もう帰ろうかな、なんて思った頃に会場がざわめき始めた。

うるさいと思って音の聞こえる方を見ると、そこには美青年がいた。

金色の髪、透き通る肌、そしてなぜか口の端に絆創膏を貼っている(怪我でもしたのだろうか？)

ヒソヒソと話されてる、英国の貴公子だの、天才ジョッキーだの、という声から察するに、彼は馬に乗る人らしい。


なぜそんな人があのクソの結婚式へ？と思ったが、大学時代馬術を習っていたらしい。

ふーん、どうでもいい。

だって馬とか興味無いしね。


そそくさと帰ろうとすると、腕を捕まれた。


「あの、暇なら私とカクテルでもどうですか？」


振り向いたら先程の彼。

金色の瞳に射貫かれた私は、動けなくて。


気づいたら見知らぬ部屋にいた。

隣を見れば裸の彼。

「起きたか？さっきは楽しかったな。」

なんて、抱いてもいない癖に。

腰の痛みなんて露ほども無かったけど、私は大人しく頷いた。


窓からは月の明かりが冷たく差していた。


(もう、どうにでもなれ)

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