【ジョジョ】短編集

また逢いましょう/DIO ページ20

貴方はいつも夢に出てくる。

大柄で、金色の髪を持っていて、全てが美しい、人ならざるお方。

なぜ出てくるのかは皆目見当もつかない。

双子の兄に話しても、そんなこと知らない、見たことも無い。と言われるだけである。


でも、私は知ってしまった。

兄が父の存在を隠してるということを。
たまたま見た写真が夢に出てくる彼でとてもビックリした。


そしてそれ以上にショックを受けた。


私は知らず知らずの内に彼に恋をしてしまったからである。


実の父親に恋を、ましてや初恋をしてしまうとは思ってもみなかった。

今日こそは会話をしようとまた夢で逢いにいった。

意識が沈んで、目蓋を開けるとそこには彼がいた。


『あの…貴方は私の、お父さんですよね？なぜここに？』

不思議と声がするすると出てきた。


｢む、確かに私はお前の父親だ。だがしかし、私もなぜここにいるのかは分かっていない。

てっきりお前が閉じ込めてるのかと思ったが、毎夜横たわったままこちらを見つめては微笑んでいるだけだからな。違うと思った。｣

そうなのか…としか言えなかった。名前で呼んでとも言えなかった。

少し思考を整理する。冷静にならなきゃ、、


『えと…仮に私の夢を依り代にしてるとしても、なぜいるのかは私も分からない。

あ……でも、強いて言うなら、私がお父さんに会いたくて呼び寄せたのかもしれない…』


｢ふむ、そうか。ならばいい。敵意は無い、それに随分と俺のことが好きだと見た。なかなか愛らしいではないか。｣

ニヤニヤと笑ってくる。それすらも心臓に悪い。

あ、駄目だ。興奮して意識が浮上する。

そう思ったときには目がパッチリとしていた。


兄にも、｢顔が紅いですよ、熱ですか？｣と言われてしまった。


夢の中で父親を恋慕い愛す娘。うーん、兄が聞いたら卒倒しそう！

それでも、

今日も私は夢に落ちる。


夢のまにまに、夢でまた逢いましょう。


(愛しいお父さん)
(私をどうか愛してくれますように)

お手をどうぞ/吉良吉影→←大嫌いだ！！！！/ミスタ

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