好きなのは/ドッピオ、ディアボロ ページ12
私は2年前からボスに監 禁されている。
ボスが薬を売るのが嫌で、止めようとして、自分に注射器の針を向けた。
そしたら慌てて取り上げられてあれよあれよという間に監 禁されてしまった。
手足には重い重い枷が付いている。
窓も何も無い。壁紙はやたらとファンシーな部屋。
その部屋でベッドに寝かせられながら本を読んだり、可愛いぬいぐるみ達と戯れる日々。
そんなつまらない毎日にも楽しみはある。
それはボスの部下のドッピオが食事を運びに来て遊んでくれること。
それが私を支えてくれていた。
『ねえ、ドッピオ。ドッピオは私のこと、好き?』
「もちろん、好きですよ。」
『じゃあね、ドッピオ、ギュッてして?』
ドッピオは抱きしめてくれる。
ドッピオにギュッてしてもらう時が一番幸せ。温かい。
『ドッピオ、ドッピオ、すき、あいしてる』
だから
『離れないで…ボスみたいに何処にも行かないで……』
スンスンと鼻を啜る。
乾いた心から溢れ出した涙は留まることを知らないみたい
「大丈夫ですよ、
そう言うドッピオからは、ボスと同じ甘い匂いがして、胸がキューっと苦しくなった。
『ボス、ボス、すきだよ、ずっと、ずっと、あいしてるから…』
戻ってきてなんて言葉は嗚咽と混じって消えてった。
ドッピオは酷く悲しそうな顔をしていた。
私が泣き止む頃には、ドッピオはもういなくて、代わりにボスがいた。
帰ってきたんだねって思って、嬉しくて、でも少し遅かったねって気持ちがぐるぐると混ざった勢いで抱き着いた。
『ボス、ボス、会いたかったよぅ…』
「もう一生離さないから、泣くな。」
嬉しい。
でも、ボスがいると、今度はドッピオが何処かに行っちゃった。
どうして、離れたの。私が二人とも好きだったから?
ごめんねなんて、遅かったのは私だったのかな。
(ごめんね、ごめんね、私は二人とも同じくらい好きなんだ)
(だから、せめて夢には出てきてね。)
(どうか、優柔不断な私を許してね)
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(名前)りょう(プロフ) - 文才がありすぎて…。読んでいて全く飽きませんでした!!貴方の作品に出会えて良かったです! (2022年2月5日 21時) (レス) @page35 id: c6fb347f3c (このIDを非表示/違反報告)
和乃佳 - ほんっと申し訳ないんですが、どうか、どうか、夜露の話を書いていただけないでしょうか( ;∀;)もうほんっと図々しいしくてすんませんが、、、マジで夜露の夢小説がなくて飢えてるんです、、、 (2020年4月3日 16時) (レス) id: b2b337d8a8 (このIDを非表示/違反報告)
和乃佳 - 本当にありがとうございます!!リクエスト採用してもらったの初めてなんです( ;∀;)朝霧さんにお願いして大正解でした♪これからも頑張ってください!応援してます(σ≧▽≦)σ (2019年12月26日 11時) (レス) id: b2b337d8a8 (このIDを非表示/違反報告)
朝霧(プロフ) - 和乃佳さん» アッ遅れました申し訳ない!!今からごり押しで書きますね…! (2019年12月22日 2時) (レス) id: e3843c3709 (このIDを非表示/違反報告)
和乃佳 - リクエストいいですか?七部の刺客たちで誕生日会をお願いします!12月18日は誕生日なんです!O(≧∇≦)Oどうかよろしくお願いします( ;∀;) (2019年12月15日 17時) (レス) id: b2b337d8a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朝霧 | 作成日時:2018年12月28日 20時