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you side
それから数ヶ月後
BTSのみなさんと交換していた連絡先は全て削除。
その時に電話番号も変えていたから、彼らからの連絡を受け取ることはなかった。
『もしもし?お母さん?』
《『あんたどこにいるの!!探しても探しても見つからない!!電話にも出ないしっ、どれほど心配したと思ってるの?!?!』》
私は韓国に逃げてきてから母の電話番号も父の電話番号もブロックしていた。
何もかも忘れたくて。
だけど、ボロ屋にひとりで住むようになってから、みなさんに拾ってもらってたこともあって韓国には友達が居ない私は
頼れる人たちから離れてしまったことで、頼る人がいなくなってしまった。
だから、お母さんに電話をかけた。
『ごめんね、心配かけて』
《『どこにいるの?迎えに行くから、支度をして…』》
『お母さん、私今、韓国に居る』
《『…え?』》
『私、ずっとここに居る。私の居場所はここなの』
《『そんなこと、許しません』》
思っていた通りの返事だった。
そのあと母は、戻ってこなきゃ無理矢理にでもそっちに部下達を送り込んで連れ戻す、と続けた。
『お母さん…私ももう25だよ、自分で好きなことをして生きたい。好きな所で働いて…好きな人と、』
《『ダメよ。あなたはもう好きなように生きられない。それはあたしたちの子に生まれた時から決まってるの』》
『…分かった、』
母を説得しようと思ってかけた電話が、説教の電話に変わった。
その瞬間なにもかもどうでも良くなってしまって。
『一週間後、空港で待ってるから。迎えをよこして』
《『さすが私の子』》
そう言って母との電話が終わった。
「みなさん…」
テレビには、ちょうどみなさんのCMが。
数ヶ月前まで一緒に暮らしていたなんて、いい夢でも見ていたんじゃないかと思う。
こんなにTVに出てる人たちだったなんて…なんで今まで知らなかったんだろう。
「…ごめん、なさい、」
ビールを美味しそうに飲むその姿は、一緒に夜ご飯を食べた記憶を蘇らせた。
と同時に、涙が溢れ出して止まらなくなる。
突然現れて突然消えた私。
きっと、迷惑をかけっぱなしだった私。
それでもあんなに優しく関わってくださった皆さんに、日本に戻ってしまえばもう会えなくなる。
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作者名:ヒナ | 作成日時:2021年9月3日 1時