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72~memory~ ページ24

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何日も何日も森で食べ物を探した。


幸いにもキノコがあったり、運には恵まれた方だったのかもしれない。


だけどそれだけでは限界で
段々体も動かなくなっていった。




その時、

私は、ボスに出会った。




ボスは私に"生き方"を教えてくれた。




強くなればいい、と。




それから私は強くなる為だけに全力を注いだ。

他の事なんてどうでもよくて

ただ今は毎日ご飯が食べられるだけで嬉しかったんだ。






ボスの元に来て3年が経った頃。


私は人並み以上の身体能力を身に付けていた。


そして、はじめての仕事にワクワクしていた。




初仕事のターゲットは、







______両親だった。







私をこんな目にあわせておいて。
報いを受けて当然だ。


残念ながらそんな思考には至らなかった。


両親を殺.すなんて、
人を殺.すなんて、出来るの?


その気持ちの方が大きくて。
勇気がなかったのだ。



そんな私にボスは言った。


"人の為に人を斬る。それが私達の仕事だ"

"生きろ。迷えば命を落とす"


______と。





ボスの言葉を胸に刻みつけた私は母を殺.し、父を殺.した。


その帰り道、





「A…………?」




よく聞いた声が私の背後から聞こえた。




『……きん、ちゃん……?』




昔と変わらない柔らかく優しい雰囲気。
私の前に現れたのは、紛れもないきんちゃんだった。

きんちゃんの後ろには数人男の子もいて、
よく見ればきんちゃんは、背が伸びた気がする。



「A、俺s…」


『来ないでっ…』



私はきんちゃんの言葉を遮って、拒絶した。

理由なんて簡単だ。
…さっきだった。私が自らの手で親を殺めたのは。

きんちゃんに知られたくなかった。
どうしても、知られたくなかった。



『ごめんね、きんちゃん……』



私は走って逃げた。
きんちゃんの声を無視して只ひたすら走り続けた。




でも、頭の中はずっときんちゃんの事でいっぱいだった

久しぶりに会ったきんちゃんは、
男の子みたいに、
髪の毛が短くなっていて、かっこよくなっていた。



男の子、みたいに。



………………。



……ほんとうは、気付いてた。



きんちゃんは女の子じゃなかったんだってこと。



でも、そんな事なんてどうでもよかったんだ。






きんちゃんが居てくれるだけで私は、幸せだったから。






『ありがとう、きんちゃん…ッ』






帰り道、私は泣きながら
私の中のきんちゃんに、最後のお別れをした。



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作品ジャンル:恋愛
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٩( ᐛ )و - 一気読みさせてもらいました!すごい美しい物語で…語彙力が溶かされました()心情の描き方がすごく柔らかくて細かくて心にくるものがありました!この物語に出会って楽しかったです! (2022年12月23日 17時) (レス) @page42 id: 9df188f843 (このIDを非表示/違反報告)
ゆー(プロフ) - あずきさん» コメントありがとうございます…!!!わあああ嬉しいです…!!!!これからも頑張ります^^ (2022年9月30日 20時) (レス) id: ad479b9abd (このIDを非表示/違反報告)
あずき - 完結おめでとうございます!!これからも応援させてください~!!⸜🙌🏻⸝‍ (2022年9月30日 19時) (レス) @page43 id: fed7a00a2d (このIDを非表示/違反報告)
ゆー(プロフ) - せなさん» コメントありがとうございます!めちゃめちゃ嬉しいです‼︎頑張ります^^| (2022年8月6日 2時) (レス) id: ad479b9abd (このIDを非表示/違反報告)
せな(プロフ) - めっちゃくちゃ好きです...。。更新頑張ってください! (2022年8月2日 1時) (レス) @page15 id: 4799d8c49a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆー | 作成日時:2022年7月23日 17時

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