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『んん…』
「おはよ、A」
目を覚ませば、優しく微笑むきんとき様が視界に映る。
『あの、今は』
「朝の7時。よく寝れたみたいで良かった」
…朝。
ということは半日以上は寝ていたということか。
ふと、丁寧に掛かられた布団に目をやると
きんとき様の寝床を奪ってしまっているという罪悪感がちくりと突き刺さった。
それと同時に、
本当に側に居てくれたんだ、と心が温かくなるのを感じた。
おはよう、って言われるのはこんなにも、安心するんだね
「ココアしか無いけど…飲む？」
『…飲みたいです』
ちょっと待ってね、ときんとき様はココアを用意しに行く。
私もベッドから起き上がり、ソファに腰掛ける。
ココアが用意されれば、私はそれを手に取った。
冷たいグラスが指先の熱を奪っていく。
「ごめんね、アイスだけど」
『いえ。アイスの方が好きです。』
ありがとうございます、と、グラスを傾け少量口に流し込んだ。
……小さい頃、このココアをよく飲んでいた気がする。
『………美味しい。』
飲む度に懐かしさを覚えるこの味は、
一体何がきっかけで私の記憶の中に留まっているのかは分からない。
だけど、早々に飲み干してしまうほど、美味しいものだった。
「そんなに美味しかった？」
くすりと笑うきんとき様は、何処か嬉しそうだった。
そんな彼の表情に見惚れていたら返事をするのを忘れていて。
目が合うと彼はどうかした？と優しく問いた。
『いえ、あの…美味しかったです。とても、懐かしい味がして』
「懐かしい味？」
『はい。小さい頃よく飲んでた味に、似てて。』
そっか、ときんとき様は私の隣に腰掛ける。
少し傾けて仕舞えば肩が触れ合ってしまう。そんな距離。
意識しているのが自分だけと思うと視線は自然と下に落ちた。
「ねぇ、一つ聞いても良いかな」
その声は優しくもあり強くもあった。
私は小さく頷く。
「Aはさ、どうしたい？」
『どう…とは、』
ぴくりと肩が跳ねたのを自分でも感じた。
それはきんとき様の言葉にスマイル様と同じようなものを感じたから。
迫られてる選択肢はきっと、生きるか、死ぬかの二択でしか無いんだろう。
「此処に居たい？」
『……』
やっぱり。そういうことだ。
いたくないといえば見逃す、なんて事は幹部としてすることはないはず。
だけど優しい彼の事だから
私のことを助けたいと、思ってくれているのかもしれない。
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٩( ᐛ )و - 一気読みさせてもらいました！すごい美しい物語で…語彙力が溶かされました()心情の描き方がすごく柔らかくて細かくて心にくるものがありました！この物語に出会って楽しかったです！ (2022年12月23日 17時) (
レス) @page42 id: 9df188f843 (このIDを非表示/違反報告)
ゆー(プロフ) - あずきさん» コメントありがとうございます…！！！わあああ嬉しいです…！！！！これからも頑張ります^^ (2022年9月30日 20時) (レス) id: ad479b9abd (このIDを非表示/違反報告)
あずき - 完結おめでとうございます！！これからも応援させてください~！！⸜🙌🏻⸝ (2022年9月30日 19時) (レス) @page43 id: fed7a00a2d (このIDを非表示/違反報告)
ゆー(プロフ) - せなさん» コメントありがとうございます!めちゃめちゃ嬉しいです‼︎頑張ります^^| (2022年8月6日 2時) (レス) id: ad479b9abd (このIDを非表示/違反報告)
せな(プロフ) - めっちゃくちゃ好きです...。。更新頑張ってください！ (2022年8月2日 1時) (レス) @page15 id: 4799d8c49a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆー | 作成日時：2022年7月23日 17時
