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そしてふと、私の事を心配して必要以上に大事にしてくれるきんとき様は、どうして、そこまでするのだろう
そんな事を思った

勿論、私はきんとき様への気持ちを自覚している為
それは嬉しいことでもあるけれど…。




『あの、きりやん様』


「ん?」


『きんとき様は他の方にもあんな感じなのですか?』




自分では信じられない事を口に出している自覚はある
けど、やっぱり、気になってしまったら止められない。
聞かない方が幸せだって思う事もあるのも理解しているつもりだ。

きりやん様は
うーーん、と考えた後、口を開く




「さっきも言ったけど、
彼奴、Aのことになると周り見えなくなんの

俺が知る限りだとAにだけ超過保護。」




超を強調して言うきりやん様は少し怠そうに声を発した。

私にだけ……

そう聞いて心臓がきゅ、と締め付けられた
嬉しい。
素直な感想はこれ。


周りから見ても大事にされているとわかると、こんな気持ちになるんだ



「困っちゃうくらいだよ
今回もさ、きんときもかなり食らってたのにさー、
A優先してって聞かなくて」


『…………え?食らってた、って』


「へ?あぁ、今回の事件、
なかむと幹部全員の朝食から食事に毒が入れられてて、
朝外食してたぶるーく以外みんな毒食らってんの」


『ぶるーく様以外…』


「うん。
まぁ症状出るまで差があったから気付くの遅くなっちゃってたんだけど。
‥.ほんとあいつ、休めっつってんのに、
Aの側にいるって離れなかったからね」



……知らなかった。
やっぱり幹部たち全員に毒が守られてたんだ。
それに、
休養した方がいいのにきんとき様はずっと私のお側に……



『…もう、大丈夫なのですか』


「勿論。俺を誰だと思ってんの」


『それなら…良かったです』



きりやん様はこの国一の医学者。
それも彼に治せない傷など無いと言われる程。
ある人々の間では神と崇められているくらい。

この人がいれば、きっと、きんとき様は大丈夫。

私はその安心から笑みが溢れた。



「へえ…」


『…?なんですか?』


「いや?可愛い顔するねって思って」


『は、ッ⁉︎』



いきなりそんな事を言われ思わず変な声が出た
可愛い…?私が?
一体どこをどうみてそう思ったのだろう
全くもって意味がわからない。



「はは、いい反応」


『揶揄わないでください』



くす、と笑いながら私の反応を楽しむこの人は
ただ優しいだけの医者ではない

そんな気がした


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作品ジャンル:恋愛
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ゆー(プロフ) - 伊達猫さん» 素敵なコメントありがとうございます‼︎ぜひ最後まで楽しんで下さいませ! (2022年6月2日 0時) (レス) id: ad479b9abd (このIDを非表示/違反報告)
伊達猫(プロフ) - 新作おめでとうございます!初コメですが、krさんの小説から来ました!またテイストの違う内容なので、これからが楽しみです!頑張ってください! (2022年5月29日 6時) (レス) @page4 id: f609931830 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆー | 作成日時:2022年5月29日 3時

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